第3回「障がい者スポーツに触れる会」が9日、パラリンピック・パワーリフティングナショナルトレセンのサン・アビリティーズ城陽(城陽市中芦原)で開かれた。東京五輪・パラリンピックイヤーを迎え、市民ら約60人が次代を担うホープと交流。講演を聞いたり、競技を体験したりし、その迫力と魅力を間近で体感した。
東京パラの正式種目の一つ「パワーリフティング」(通称・パワリフ)は、下半身に障害があり、足を使うことが困難な選手によるベンチプレス。府立心身障害者福祉センターの体育施設である「サン・アビリティーズ城陽」は2016年にナショナルトレセンに指定され、日本代表選手の強化拠点となっている。
この日の催しは、日本パラ・パワーリフティング連盟(吉田進理事長)の協力で練習見学会や記録会を盛んに行い、同施設の魅力をアピールしている地元の認定NPO法人京都スポーツ・障がい者スポーツ推進協会(園崎弘道理事長)が主催。
同連盟の吉田理事長が「2020パラリンピックに向けて」と題して講演した。
パワリフの世界記録は、ほとんどのクラスで障害者が健常者を上回っている背景について、体の不自由な所をカバーする脳の働きを指摘した医師の分析を紹介。「障害スポーツは『不自由な人がやるスポーツ』というより、人間の可能性を新たに広げる所が見える、未来に向いているスポーツ」との言葉を引き、「そういった技術を検討して応用できれば、健常者ももっと強くなれる―など色々な可能性があるかもしれない」と期待した。 続いて、将来性豊かな選手を発掘する国の「ジャパン・ライジング・スター・プロジェクト(J‐STARプロジェクト)」のパラ・パワリフ1~3期生のうち、城陽市の中川翔太選手(16)=府立宇治支援学校高等部2年生=をはじめ全国から7選手が会場に集結。「一日も早く、1㌔でも重いものを持ち上げられるよう頑張りたい」「練習を重ね、重い重量を挙げられる選手になりたい」などと抱負を語り、力強くバーベルを押し上げた。