家族らを亡くし、精神的に大変な状況の中、市役所を訪れ各種手続きをする市民に対し、少しでも手助けしたい…と、城陽市は今年度、独自で「おくやみハンドブック」を作成した。預金口座や生命保険、不動産登記関係など市の業務と関係のない手続きまで分かりやすく記載。府南部の自治体に先駆けた取り組みとして好評を得ている。
昨年度に市内で亡くなった人は851人。年間開庁日は約240日で、一日平均3・5人程度が死亡届等の手続きに来庁する。
死亡届は、家族らを亡くしてから7日以内に提出することが法令で定められているが、精神的にショックを受けた遺族らにとって、各課をまたぐ国保や国民年金、介護保険等の手続きを行うことは負担が大きい。
そこで、同市は2018年度に、市民課がまず〝たたき台〟を作り、関係各課が連携して手続きの必要事項を集約。さらに、市役所以外で行う手続きもまとめ、それぞれの問い合わせ先(電話番号)も掲載することにした。
このような庁内作業を経て、昨年6月からA4判9ページの冊子を、対象の来庁市民に配布を始めている。
ただ、全国的には大分県別府市のように「おくやみコーナー」を設けて、最優先事項として取り組んでいる例もある。城陽市議会からは「一人ひとりに寄り添い、個別に対応を」との要望もあり、同市は「限られた職員数の中、常に業務の改善を続けていきたい」としている。
おくやみハンドブックに関する問い合わせは同市市民課℡(0774)56‐4025まで。