幾世代に渡る家族が生活してきた旧村のたたずまいが今なお色濃い京田辺市の大住東林区で23日、初めての「異文化交流会」が開かれ、地元の3世代住民とアフリカ出身で同志社大に学ぶ留学生家族らが和気あいあいと交流を深めた。外国人は言うに及ばず、住民同士が歓談する機会もめっきり減っていた大住旧村の住民たちが「持て成し、持て成される」中、地域コミュニティの機運上昇に思いを寄せた。
祝日の日中、地元の3世代約50人が待つ大住の東林公民館にやって来たのは、JICA(国際協力機構)のバックアップを受け同大大学院で学ぶガーナ、ケニアの青年とその家族ら計7人。アフリカの青年たちも事前に仕込んだ母国料理を携えて訪れた。
同区では、子供会や婦人会が集まることはあるも、しばらく絶えていたという文化事業の一環として、アフリカファミリーとの異文化交流を企画。留学生家族の支援者と連携しながら当日も運営した。
玄関先には岡山から寄せた一斗缶入りの牡蠣が鉄板の上にスタンバイ。室内では、ケニアのチャパティ(パン)・マンダジィ(揚げパン)、ガーナのジョロフライス(トマト味の炊き込みご飯)などが並んだほか、つきたてをアフリカの少年も一緒になって丸めたよもぎ餅、お出汁がしゅんだおでん、おかきなどが各テーブルを盛りだくさんに飾り、分け隔てなく言葉を交わした参加者が笑顔と歓声に沸いた。中でも、子供たちは相交ざって輪になり、トランプやお手玉も楽しんだ。
ガーナ出身で3児の母のベラ・アジャポンさん(36)は「日本語は難しくて使えないが、フレンドリーな場は楽しい」、機械工学を学び春に日本で就職するケニア人のムペ・ニャンゴ・ナサニエルさん(26)は「母国を思い出す楽しいひととき」と笑顔を弾ませた。新婚旅行はケニアだったという古林貢区長は「ふとした縁があり思い切ってやってみてよかった。続けられればよい」と願った。