井手町の2小学校で、ドローンを使ったプログラミング教育が行われている。21日に井手小で6年生、27日に多賀小で5年生が、それぞれ体育館で、授業の集大成となるドローン飛行に挑戦した。公開授業として行われ、訪れた町教委の松田定教育長をはじめ関係者は、児童らの積極的な姿勢に目を細めた。
多賀小では児童15人が2人1チームとなり、プログラム入力用のタブレットと小型のドローンを1台ずつ携え、それぞれのコースに臨んだ。
コースは5㍍四方に、「山」を想定した跳び箱などと「谷」を想定した輪(フラフープ)が1つずつ置かれた。スタートとゴール地点にも、プラスチック製の輪がある。それぞれの間隔や高さは、まちまちだ。
児童らは自分たちのコースをメジャーで測り、タブレットの専用ソフトに、前進する距離・浮き上がる高さ・曲がる角度を入力。プログラム順も間違えてはいけない。
ドローンをスタート地点に置き、タブレットからプログラムを送信すると、ドローンは、見事に「山」を越え「谷」を抜け、ゴールに下りた。ただ、目印の輪に着地しないなど、うまくいかないチームも。スタート地点に置く際の微妙な向きのずれや、人の動きによる空気の流れが影響するという。児童らはきちんとコースをたどるよう、プログラム修正を繰り返した。授業を終え、福田優人(ひろと)くんは「高さ・長さ・角度の再調整が難しかった」と振り返った。
松田教育長は「条件や要素を考え手順を入力する一連の思考力は、他教科にも通じると思う」と期待を込めた。
小学校プログラミング教育は、新年度から全面実施される。町は学校教育情報化検討委員会に教員らのプロジェクトチームを立ち上げ、2018年度からカリキュラム検討などの準備を進めてきた。
今年度は、1・2年生は基礎的な学習、3~6年生はプログラムを組むことにも取り組んだ。1月に入り松田教育長が、プログラムを基に実際にマシンを動かす教材としてドローンに着目。各校に整備し、授業で試行しながら、この日の飛行挑戦に至った。