植栽10年 春の水辺に桃並木/宇治・巨椋池干拓地
ピンクや白の桃の花で彩られた幻想的な光景が広がる幹線排水路周辺

宇治市槇島町の巨椋池干拓地の幹線排水路沿いで桃の花が開花し、見事な並木になった。地元グループが植栽を始めて10年。白や淡いピンクに色づいた花びらが春を彩り、訪れた人々が水辺に現れた〝桃源郷〟で心を和ませている。
巨椋池干拓地の環境保全と美化を進める「巨椋水辺づくりプロジェクト」(辻昌美代表)が、近鉄京都線の線路から西を望む土手に苗木を植えた。不法投棄でゴミだらけだった排水路が住民参画で改良されたのを機に、水路右岸の散策道を安らぎの空間にする試み。

春の陽気に包まれ、見頃を迎えた桃の花の花見を楽しむ子供たち

当初4本だった桃の木は約80本に増えた。地元のボランティアが水辺の清掃や草刈りを毎月しているほか、土手の屋根付き休憩スペースに、利用者のために花を飾る住民もいる。
ぽかぽかとした陽気に包まれた26日には、家族連れやお年寄りのグループが桃並木を散策し、記念撮影をしたり、弁当を食べながら花見を楽しんだりした。
プロジェクト代表の辻さん(84)はボランティアの善意に感謝し、「水辺に目をやる人が増えたら、ゴミを捨てる人も減る」。プロジェクトのメンバーで、種から苗木を育ててきた石貫哲也さん(74)は「みんなで見に来て、喜んでもらいたい」と話した。
暖冬の影響で、開花は例年より10日ほど早め。今週末に満開となり、2週間ほど楽しめそうという。