京都産業大学(京都市北区)と井手町の交流拠点「むすび家ide」のカフェで開かれた3月23日の交流会に端を発した新型コロナウイルスの集団感染は4次感染となり、拡大を続けている。2日には、交流会参加の同町職員(京都市在住)、同町職員の父親(宇治市在住)、同町商工会の家族4人(全て井手町在住)の「陽性」が明らかになり、感染者は17人に増加。府山城北保健所で濃厚接触者の調査を進めており、順次PCR検査にかけ、感染拡大を防止していく。
京産大の学生4人が3月にヨーロッパを卒業旅行し、帰国後に3人の新型コロナウイルス感染が判明。3人はゼミ卒業祝賀会などに出席し、井手町在住の男子学生に2次感染させた。
感染の事実を知らない男子学生は、3月23日の同町で開かれた交流会に参加し、同町職員、同町商工会の会員が3次感染。同町職員は、町役場で企画財政課の30代男性、会計課の50代女性の2人に4次感染させ、1日時点で11人まで膨れ上がった。
2日には交流会に参加していた同町高齢福祉課の30代男性職員(京都市在住)の感染が判明した。20代男性職員(宇治市在住)と同居する60代父親も「陽性」を確認。同町商工会で感染した会員のうち、いずれも同町に住む3家族の小学生男児(10歳未満)、男子中学生、40代女性、70代女性の4人への4次感染も明らかになった。子供の「陽性」は地元で初めて。2人とも無症状という。
これで交流会に起因する感染者は同町職員6人とその家族1人、同町商工会の会員6人とその家族4人の合計17人。このうち4次感染が前日の2人を含め、7人となった。
同町によると、企画財政課には5人、会計課には3人、高齢福祉課には5人が在籍しており、「陽性」判明者を含めて全員を自宅待機とした。3課の業務に関しては休止せず、他の職員で柔軟に対応。休止していた税務課、保健医療課、地域創生推進室に関しても検査で「陰性」となり、体調に問題がない職員に出勤してもらうことで徐々に対応を再開している。
ただ、新たな職員の感染が明らかになったことで、3月31日から続く本庁舎の閉鎖は解除せず、引き続き西別館1階に開設している臨時窓口で来庁者に対応する方針。開庁に関して同町は「安全性を確認し検討する」としている。