九条ねぎ 加工力増強/久御山町内のカットセンター
現在1本の製造ラインが今年度2本になるカットセンター

京の伝統野菜「九条ねぎ」を加工している久御山町相島のネギカットセンターの施設機能が、今年度強化される。町の支援で製造ラインを1本増やし、生産量アップを目指す。同センターを運営するJA京都やましろ(京田辺市)は「安定した生産で、農家の安定収入、安定出荷につなげたい」と意気込む。
同センターは、町立みまきこども園本園に隣接するJAの旧御牧支店の店舗を全面改装し、2018年2月に完成した。地元生産者らが出荷した九条ねぎの洗浄からスライス加工、パック詰めまで行っている。昨年7月に、食品衛生に関する国際基準「HACCP(ハサップ)」の認証を取得した。
家庭では難しい2㍉幅で刻み、風味や鮮度、シャキシャキした食感を自慢とする。消費者ニーズに応じたカットネギは、お好み焼き店やラーメン店、大手量販店、地元スーパーなどへ販路が広がり、ブランド京野菜の新たな市場を開拓している。
刻みネギは1日1万1000~1万8000パック製造。柔らかく、甘みのある九条ねぎの特長を生かし、昨年10月から斜め切りも生産している。

味と食感が自慢の刻みネギのパックや斜め切り

今年度、町は同センターの機能強化の支援へ、国・府の補助金を活用して9720万円を予算計上した。現在1本の製造ラインをもう1本増やし、1日3万パックの生産を目指す。
欠品ができない中、ラインが2本になることで故障時のリスク回避にもつながり、産地の収益力強化と担い手の経営発展に期待が高まる。JA京都やましろ営農部次長の曽束昭夫さんは「ひと口目の印象で、その料理が美味しいか、美味しくないかが決まる。生で食べ、本当の刻みネギを味わってほしい」と呼び掛けている。