政府は21日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、今月31日までを期限としていた大阪府、京都府、兵庫県への緊急事態宣言を解除した。京都府の西脇隆俊知事は会見を開き、23日午前0時にクラスター(集団感染)発生場所を除き休業要請等の緊急事態措置を解除することを発表。地元市町では、対策本部会議で利用を休止している施設の再開などについて議論する。
政府は4月7日に新型コロナウイルスに係る緊急事態宣言を7都府県に出した。16日には京都府など全国に対象を拡大し、5月4日には今月末まで期限を延長。14日に39県を解除したが、京都府などは解除が見送られていた。
新規感染者数の増加に歯止めがかかったことなどを踏まえ、政府は21日、期限を待たず、大阪府、京都府、兵庫県の緊急事態宣言を解除した。
西脇知事は、23日午前0時にカラオケボックス、スポーツジム、バー、接待を伴う飲食店、ライブハウス、性風俗店といったクラスター発生場所を除き、休業要請を解除することを決定。休業要請を継続施設の解除については「段階的かつ慎重に判断したい」と述べた。
また、飲食店に関しても「午前5時~午後10時(酒類の提供は午後9時)」の時間短縮営業を求めてきたが、撤廃を決定。南丹以南に出している府立学校の休業要請も解除した。
イベントに関しては、感染リスクの高い全国的かつ大規模なものは開催の自粛を要請。その他については「感染リスクを低く抑えることで開催が可能」と説明した。
西脇知事は「コロナは、まだ身近にいる。有効な治療方法の確立か、集団的な免疫が確保されるまで長期戦になる。緊急事態宣言の解除はイコール終息ではない。新型コロナと共存する『WITHコロナ社会』のスタート。ウイルスとうまく付き合いながら社会経済活動を取り戻す」と強調した。
その上で「これまでステイ・ホームをお願いしてきたが、これからは行動自粛ではなく、不要不急の府県をまたぐ移動や3密(密閉、密集、密接)を避け、新しい生活様式を定着させてほしい。感染予防を意識した行動、ステイ・アラート、つまり警戒を怠らないことが求められる」と訴え、第2波に備え、引き続き感染をしない・させない取り組みへの協力を府民に求めた。