「税」と「選挙」府内初のコラボ授業/井手小
投票箱へ一票を投じる

井手町立井手小学校で3日、府内小学校で初めて「租税教室」と「模擬選挙」のコラボ授業が実施された。山城地区租税教育推進協議会と府選挙管理委員会事務局の共催で、主権者教育の一環。6年生30人が、候補者役の先生の演説を聞き投じる一票を自ら決めるなどし、有権者への学びを深めた。
コラボ授業は2校時を用い、1校時目に宇治税務署総務課の長澤祐一さんが「くらしの中の税」をテーマに講義。税の歴史や税金の種類、収入があれば子供であっても税を納めなければならないことや、税の使われ方、特に公立小学校の教育費などについて説明した。
2校時目は「模擬選挙」。府選管事務局の吉岡香織さんが選挙制度や投開票の流れなどを説明した後、「A町の町長を決める選挙」という設定で、6年生を受け持つ3人の先生が候補者役となり演説を行った。
演説のテーマは、小学生のスマートフォン利用。①条件付きでOK、②自由に使える、③禁止―の立場に分かれ、①は「SNSは家族と友人に限り、1日1時間を超えたらロックがかかるようにする」、②は「家族で話し合い、家族ごとのルールを作れば良い。伸び伸び成長することを願う」、③は「ウェブページやアプリの危険を見抜くのは大人でも難しい。SNSを使うと、いじめや仲間はずれが生まれる」などと主張。
会場の体育館には、選挙で実際に用いる仕切り付きの記載台や投票箱が設置された。
演説を聞いた児童らは、あらかじめ配られた仮のお知らせはがきを手に受付の場所へ。本物の町選管職員から投票用紙を受け取り、記載台で候補者名を書き、投票箱まで進んで自分の一票を投じた。開票の結果、①1票・②25票・③4票で、自由な利用を主張した候補者が当選。発表と同時に拍手が沸き起こった。
府選管の吉岡さんは「ここが始まり。代表者がふさわしい政治を行うか、見守り続けることが大切。6年後、ぜひ投票へ」と締めくくった。