京都市伏見区の第１スタジオが放火され、36人が死亡、33人が重軽傷を負った事件から１年を迎えた18日、㈱京都アニメーション（八田英明代表取締役社長）＝宇治市木幡＝は同跡地で、犠牲者を追悼する「株式会社京都アニメーション第一スタジオ・１周年追悼式」を行った。遺族85人と、八田社長・社員ら９人が参列し、理不尽な暴力により命を失った犠牲者の冥福を祈った。
式では遺族有志の弔辞に続き、黙祷、献花が行われ、八田社長が挨拶。「無念で無念で、言葉がありません。断腸の思いです」と哀悼の意を表した。
また同社は午前10時30分からＹｏｕＴｕｂｅ公式チャンネルで、ファンらと共にある追悼の場として、７分31秒間の文字メッセージを配信した。冒頭で、心を寄せる追悼の場を準備してきたが新型コロナウイルス感染症を鑑み映像配信としたことを伝え、次いで、かけがえのない仲間への哀悼の意を表した。また、弔電を紹介し、10時35分から約１分間黙祷の時間を設けた。視聴者はリアルタイムで２万数千人に上った。映像公開は18日で終えた。
追悼式での八田社長の挨拶全文は次の通り。なお同社は、第１スタジオ跡地への来訪を控えるよう呼び掛け、交通機関や近隣住民への配慮を願っている。
「令和元年７月18日、1年前のこの日、この場所で、想像を絶する悲しい事件が起きました。地元はもちろん、全国各地からこの地に集まった優秀なクリエイターが突然未来を奪われてしまいました。無念で無念で、言葉がありません。断腸の思いです。
１年が経とうと私たちは悲しみの中にあります。
一人ひとりの故人に対して、そして大切な身内を亡くされたご家族に対し、心から哀悼の意を表したいと存じます。
私たちは、アニメーションを創るために、この地に集いました。仲間として共に作品作りに励んできました。私たちは、その思いを胸に、歩んでいきます。
今までも、今も、これからも、心は常に仲間と共にあります。
『私たちはアニメーションを軸とした総合エンタテインメント企業を創り、社会・地域に貢献し、世界中の人たちにとりわけ子どもたちの夢と希望と感動を育みたい。そして支える社員、スタッフの幸せを実現する。』
当社の理念のもと、仲間とそのご家族、そして支えてくださる皆さまと心をつなぎ、ゆっくりでも一歩ずつ、進んでいくことを改めて誓います。」