ネット炎上 神馬が『鎮火』/久御山・玉田神社
火難除けの神馬の絵柄があしらわれたステッカー

火難除けの神社として知られる久御山町森宮東の玉田神社が、インターネットの会員制交流サイト(SNS)などの炎上除けを祈願するステッカー型のお守りを作った。宮中を大火から守った伝説の神馬の故事にちなんだ。スマートフォンやパソコンなどに貼ってもらい、「炎上を鎮めるご利益になれば」という。
玉田神社は朝廷の御料牧場が広がっていたとされる御牧(みまき)地区に建つ。奈良時代、御牧で育てられ宮中に献上された1頭の馬が、身を挺して内裏(皇居)の大火を食い止め、同神社の神が呼び寄せた火難除けの神馬として大切にされたとの言い伝えがある。
新たなお守りは野口重典宮司(53)が発案した。SNSやブログなどネット上の投稿に誹謗中傷や批判的な意見が集まり、やがて燃え広がるように拡散する「炎上」が社会問題となる中、「火災とは違っても〝延焼〟を鎮めるような、未然に防ぐお守りがあってもよい」と思ったという。

「御霊験名馬火鎮由来」の版画と江戸期から伝わる版木

当初ストラップを考えたが取り付けられるスマホが少ないため、パソコンやタブレットを含めて幅広く対応できるステッカーに着目した。
縦7㌢、横4・5㌢。神社に伝わる江戸中期の版木「御霊験名馬火鎮由来」を基に、火中を力強く駆ける馬の姿を描いた。炎上の不安を取り除けるよう祈願したという。
野口宮司は「SNSは個人の思いを伝えるのに便利だが、ちょっとしたことで炎上問題になったり、企業イメージがダウンしたりする。お守りを、不安を収めたり、不安を取り除いたりする手助けにしていただけたら」と話す。
初穂料800円で頒布する。問い合わせは同神社℡075‐631‐0307まで。