山本宇治市長、退任表明/12月の任期満了で
退任を表明する山本宇治市長

宇治市の山本正市長(73)は16日、任期満了(12月18日)に伴う次期市長選(11月29日告示・12月6日投開票)に立候補せず、2期8年で退任することを表明した。マニフェスト(公約)が一定達成できた点、新型コロナウイルスによる市政変革の時期を踏まえて「新しいリーダーに将来を託すべき」と説明。後継者は指名しない、とした。

■2期8年、公約一定達成/後継者は指名せず

9月議会を招集した山本市長は本会議場で「12月の市長選に出馬せず、2期目の任期満了をもって退任する」と表明した。
理由として「『命を守り、人を大切にする』ことを基本姿勢として、市民と約束したマニフェストについて、一部を除き、かなり達成した。また、コロナでICT化が進み、市政も大きく変わっていく必要がある。10年、20年後の宇治市を展望した時、新しいリーダーの下、魅力ある宇治市を、市民と一緒に作り上げ、実行することが重要。新しいリーダーに今後の躍進する市の将来を託すべき、との結論に至った」と述べた。
2期8年について「政策は命、現地・現場を念頭に市議(3期12年)、府議(4期14年)で活動し、集大成として、市長という役割を与えてもらった。子ども医療費の中学校卒業までの無料化、健康長寿日本一や認知症、産業戦略、府南部豪雨災害からの復旧、コロナ対策などに取り組んできた。歴史公園、財政健全化で非常に厳しい指摘を受けたことは思い出の一つ」と振り返った。
終了後には会見を開き「職員、市民と議会が3本柱で新しいリーダーの下で頑張ってほしい。議会は権力闘争だが、市長は公平無私が最も大事。宇治は自然と文化と歴史、知名度とブランド力も高く、お茶も国内外に浸透している。そんな夢と希望のある宇治市の市長をできたことを誇りに思う」と述べると、少し言葉を詰まらせた。
後継者に関しては「つくらない」とし、新しいリーダーに対して「宇治の魅力を磨き、次世代に送り込んでほしい。そして命を守り、人を大切にしてほしい」と期待。「まだできる体力はあるが、(2022年度にスタートする)第6次総合計画の策定に入っており、市の仕事を抜本的に改革する時、34年間(市議、府議、市長)やってきた私のやり方が邪魔をすることがある。市政に未練あるが、悔いはない」とつないだ。
なお、市長選を巡っては市議会の自民、公明、うじ未来の3会派や、共産など革新勢力が候補者を選考している。