AIチャットボットを本格導入/同志社女子大学
スマホからも使いやすくなった「Chat VIVI」

同志社女子大学(飯田毅学長)は先月から、人工知能を活用した情報ツールの「AIチャットボット」を本格導入し、コロナ禍で不便が多い学生をサポートする。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、春学期はキャンパス閉鎖とオンラインでの授業が続いた。当初、9月を予定していたチャットボットを前倒しで4月にスタートさせ、7月末までに1万件のアクセスがあった。
学生の疑問に素早く答える「AIチャットボット」は、何らかのキーワードを入力すれば、人工知能が何を聞きたいかを予測し、質問項目を絞り込んで提案するもの。場所や時間を選ばず、気軽に正確な情報を入手できるメリットがある。
同大学では、2002年から親しまれるキャラクターでネコのVIVIを起用し「Chat VIVI」と名付け、学生サポートに力を入れる。AIを活用した情報ツールは、全国の大学でもいまだ導入事例は数少ないという。
同大学は、京田辺キャンパスに4学部(学芸・現代社会・薬・看護)、今出川キャンパスに2学部(表象文化・生活科学)を配し、在学者数は約6200人。うち京田辺に約4100人が通学するも、春学期はコロナの影響で入学式をはじめ、説明会やオリエンテーションが中止され、その後もキャンパス閉鎖で対面はなくオンライン授業が続いた。
学内の相談窓口を訪れることもできず、不安が増す学生に役立ててほしい―と、秋学期を見据え、既に延べ1万件以上のアクセスがあった「Chat VIVI」をリニューアル。1文字入力するごと瞬時に質問候補が提示されるサジェスト機能や、300件を超えるコンテンツから会話形式で答え、学内システムとリンクする機能なども充実させた。学生支援課の今村寛功さんは「スマホからも見やすく、より操作性が高くなった」と声を強める。

■密減らし、対応安定

その中、感染対策を施し、対面授業を基本に、一定の人数以上は遠隔で授業を行う秋学期は先月25日から始まった。
感染防止のため、従来の収容定数を上回る広めの教室に振り替えた。オンラインはライブのほかに都合のよい時間に見ることができるオンデマンドの実施や、学内のパソコン台数の確保などの課題に取り組んでいる。
春以降、チャット検索でも「経済的支援」は上位入り。アルバイトもできない学生への生活支援金や、特別奨学金、授業料減免などの支援も続く。
次年度の新入生に向けたオープンキャンパスも春は一切開けず、7月末から完全予約制で開始。午前と午後の入れ替え、講堂での席間をあけるなどの対策を行い、アンケートでは「オンラインと実際に見るのとでは違う」などと好評の声も届くという。
学生には、「Chat VIVIを操れば、秋学期の準備を進められる。授業開始時に窓口の密集を避けることができる。職員の経験に頼らない安定したサービスを提供できる」と効用を説く。