光触媒の実験発表/西城陽高「サイエンスプロジェクト」
研究発表をする3年生有志

9日実施された府立西城陽高校の本年度第3回「サイエンスプロジェクト」で、生徒が研究発表を行い大学院生から質問を受けるプログラムが初めて行われた。
同プロジェクトは大学の協力の下、GS(グローバルスタディ)コースの理系生徒を対象に教授らが講義などを行なうもので、毎年実施されている。この日の生徒の発表は、同志社大学理工学部噴霧燃焼工学研究室による講義の前に行われた。
発表したのは同コース3年生の有志4人で、テーマは、光触媒による汚れの浄化プロセスでのグリセリンの作用。同プロジェクトの担当でもある櫻井健治・理科教諭が「総合的な学習の時間」で扱っていた実験を、同教諭の指導を受けながら深めてきた。
生徒らは、汚れに見立てた青い色素をタイルに塗り、光触媒によって消える時間経過を観察。色素にグリセリンを混ぜると、色落ちが早くなった。しかし光触媒メーカーから、色素が変化して透明になることを聞き、浄化された(水素などに変化してタイル上から消えた)わけではないと知った。ただ、タイルの種類を変えたところ物質的に消えた様子も観察できた。生徒らは「グリセリンは浄化にも関わっているのでは」と考察した。
発表後、インターネット会議システムを通じて聞いていたこの日の講義担当の大学院生が「なぜタイルを変えたら結果が変わったのか?」などと質問。生徒を唸らせた。櫻井教諭は「グリセリンの浄化への関わりは新しい知見。生徒たちと一緒に論文を書きたい」とコメントした。
櫻井教諭は「今後も同プロジェクトで生徒発表の機会を設けたい」としている。