配信3カ月で2.6万ダウンロード/宇治市プロモーションゲーム
宇治橋での戦闘風景(宇治市提供)

宇治市の昨年度一般会計歳入歳出決算認定などを審査する市議会・決算特別委員会(関谷智子委員長)は21日から部局別審査を開始した。市長公室の審査では、スマートフォン向けの市プロモーションゲーム『宇治市~宇治茶と源氏物語のまち~』(無料)に質問が集中。今年7月10日に配信を開始し、コロナ禍にあって既に約2万6500ダウンロード(DL)となっており、年内にはデジタルスタンプラリーを活用した来訪促進イベントを企画している。
ゲームは、家庭用テレビゲーム機『ファミコン』を連想させる荒いタッチが特徴的で、萬福寺や三室戸寺、平等院など市の観光地を巡りながら敵を倒すアクションゲーム。賛否両論が巻き起こった2017年3月のPR動画をベースにしている。
ゲーム化の必要経費をインターネット上で集めるクラウドファンディングを実施したが、目標額に到達せず、結果的に約450万円を市が税金で負担。これに中村麻伊子委員(自民)が苦言を呈した。
佐々木真由美委員(無会派)は「7月に配信され、10万DLを目指す、ということだったが、現状はどうか」と尋ねた。大久保秘書広報課副課長は「約2・6万DL。(同じようにゲームを作った埼玉県行田市の1年半で10万DLと比較して)概ね良い結果ではないか。今後は実際に宇治に来てもらうイベントを検討している」と説明。佐々木委員は「2・6万が良い数字と思えない。操作が難しくクリアもできない」と指摘した。
市に本紙が確認したところ、クリアしたのは延べ約1600人。複数回攻略した場合、重複カウントされるため、仮に全員が1回ずつクリアしていたと仮定した場合のクリア率は約6%となる。

スタンプラリー画面

徳永未来委員(共産)は効果について確認し、前田秘書広報課長は「デジタルスタンプラリーは延べ750回。1カ所平均で150回の訪問となっている」と答弁。徳永委員は「移住してもらうためのツールとしては難しいのではないか」と問題視した。
本紙が市に確認したところ、デジタルスタンプラリーの訪問内訳は▼宇治橋228人▼萬福寺155人▼平等院鳳凰堂148人▼(仮称)お茶と宇治のまち歴史公園123人▼三室戸寺96人。イベントは年内を予定しており、5カ所を制覇した人に対して、限定グッズを贈呈し、来訪のきっかけにしてもらう。
このほか、市では、ゲームに関連したLINE(ライン)スタンプも販売しており、市収入としては1万円程度にとどまっているが、既に約500個を売り上げている。