守れ!ナンバープレート 盗難防止ネジ取付を呼びかけ/宇治署
普通のネジ(左)と、プレート盗の防止ネジ(右)

自動車関連の盗難のうち、車上ねらいなどと比べ馴染みが薄い「ナンバープレート盗」。盗んだプレートを付けた車を使い、さらに別の犯行を重ねるといった二次犯罪への悪用が懸念されている。宇治署は被害を未然に防ぐため、4日、イオンモール久御山でナンバープレート盗難防止ネジ取付キャンペーンを展開する。
9月末現在、府内における「部品ねらい」の認知件数は324件(前年同期比マイナス50件)。うちナンバープレート盗は205件(同マイナス40件)と全体の60%以上を占めており、10年前(約20%)と比べて割合が高くなっている。
最近10年間の推移をみると、窃盗の認知件数が大きく減少傾向にあるのに対し、プレート盗は大きな変化がない。昨年のデータでは、自動車が83%・バイクが17%で、伏見区、山科区についで宇治市での発生件数が多くなっている。
宇治署管内の「部品ねらい」は、9月末時点で17件(うち平盛学区で4件、神明学区で3件)と昨年同期比で減少しているが、これはコロナ問題で経済活動が鈍化したことが主因とみられ、ここ数年の認知件数は減ることなく横ばい傾向が続いており、被害に遭うリスクが低くなったとはいえない。

今年2月、左京区の商業施設で開かれたキャンペーン(府警HPより)

住民には馴染みが薄い「プレート盗」。現在は、お気に入りの番号を選んで付けたものや、ご当地の絵柄が入ったものが普及しているが、犯人はプレートを集めてコレクションするわけではなく、車上ねらいなど別の犯罪の犯行車両に使うことで身分を特定されないようにするのが目的だとされている。
プレートが無い車は公道を走れないため、盗まれた場合には警察に被害届を出し、運輸支局で再交付申請、各自治体で仮ナンバー申請(ともに手数料が必要)を行わなければならず、お金も時間も無駄になってしまう。
プレートに付いている一般的なネジは、普通のドライバーなどで簡単に外せるものになっているため、外しにくい強化ネジを付けるのが有効。強化ネジは、レンチで締めた後にネジ穴に金属を入れて打ち付け塞ぐタイプと、穴周辺に特殊な形をした極細の溝があり、専用の工具を使えば取り外し可能なタイプの2種類がある。
安い物ならホームセンターに行けば1000円前後で買える。同署では「高級車かどうかにかかわらず、どんな車でも被害に遭う可能性がある。頻繁に引っ越すなどの理由がない限り、強化ネジを付けてもらったほうが断然安心だと思う」と勧めている。
ちなみに、同署管内での「車上ねらい」は9月末時点で41件(うち西大久保学区が6件で最多)で、ドアが施錠してあってもガラスを割って盗み出すなど凶悪な事案も発生している。警察では、短時間だからと甘く考えず施錠してから車を離れる、カバンなど貴重品を外から見える場所に置かない…などの対策を呼び掛けている。