ウイルスから子供守れ/教育現場も警戒
発熱など風邪症状の児童を受け入れる東角小の第2保健室

新型コロナウイルス感染症の「第3波」が到来する中、教育現場が対応に苦慮している。季節性インフルエンザも含め、感染症が流行しやすい冬場。懸念されるコロナとインフルエンザの同時流行に対して地元校も警戒を強め、知恵を出し合いながら感染防止策を講じる。
新型コロナウイルスとインフルエンザを初期症状で区別するのは困難。味覚や嗅覚の異常、息苦しさなどコロナで見られてインフルエンザでは少ない症状こそあれ、それだけでは「医師でも見分けられない」(府山城北保健所)という。
府教委は「体調不良であることを言い出せない雰囲気が被害拡大につながる」(保健指導課)と指摘。その上で「新型コロナは誰もが感染し得る病気。(コロナ感染を巡る)差別やいじめ、中傷をしない環境をつくり、『感染者との戦い』ではなく『ウイルスとの戦い』という社会意識を高めたい」とし、人権教育と感染症対策を両輪で進める。
府内各校も感染防止に力を注ぐ。
久御山町立東角小学校はコロナの影響による臨時休校期間中、再開後の対応を見据えて、発熱など風邪症状の児童を受け入れる「第2保健室」を保健室の隣に設けた。
少人数授業やPTAの会議などで使っていたフリールームを活用。学校薬剤師に室内のレイアウトなどを相談し、児童が横になって休めるよう処置台やベッドなどを置き、養生シートで各区画を仕切った。
第2保健室はケガとの受け入れ窓口を区別し、保護者が迎えに来るまで過ごすスペース。発熱と負傷などの症状が混在しないようケアし、感染力の高い疾病の拡大防止につなげる。
藤原幹郎校長は「こんな対策をしているという姿勢を見てもらい、安心して子供を行かせたい学校になる」と話す。