「ながらスマホ」危険性を再認識/莵道高でVR体験学習
ゴーグルを着けて「ながらスマホ」を疑似体験する生徒

スマートフォンを操作しながら自転車を運転する「ながらスマホ」の危険性を周知しようと、宇治署は4日、宇治市五ケ庄の府立莵道高校でVR(仮想現実)機器を使った交通安全学習を行った。生徒たちが事故を招く状況を疑似体験し、安全運転を誓った。
府内でも高校生が加害者となる「ながらスマホ」による自転車同士の衝突事故が発生している。
交通安全学習は同署と通信大手のKDDI、府、市が連携。同社が開発したシステムを使って府内の高校では初めて行い、同校生徒会や風紀委員の1、2年生17人が参加した。
生徒たちはゴーグル型のVR端末を装着し、右手に押しボタンでブレーキをかけるリモコン、左手にスマホを持ち、自転車に乗っている想定で操作した。
リアルに再現された道路や風景が視界に広がる中、スマホに次々表示されるSNSのメッセージに視線を落としながら運転。歩行者を避けて進むと駐車車両の死角から別の歩行者が出てくる状況設定で、間一髪で停車したり、衝突事故を起こしたりし、冷や汗をかいた。
同じ状況下で運転中にスマホ操作をしている時、していない時の反応速度の計測値を比べ、危険性を再認識した。
竹内翔馬くん(2年)は「見えている範囲が狭まり、ブレーキを掛けるのを忘れていた。自転車で友達と話している時でも周りを見ることが必要」と言い聞かせた。内藤魁人くん(同)は「周りの風景が見えず、歩行者が来るのも気が付かなかった。ながらスマホは本当に周りが見えず危ない」と話した。