自筆証書遺言パンフ活用へ/宇治「老いじたくを考える会」
クイズに頭脳を働かせながら理解を深めた参加者たち

「老いじたくを考える会」の廣兼恒久代表=宇治市木幡内畑=は、地元の高齢者サロンに出向いて、完成したばかりのパンフレットを活用しながら相続の基本をひも解いている。
廣兼代表は自筆証書遺言書の作成と保管がテーマのパンフレット(A4版・フルカラー・10㌻)を今夏完成させ、▽自宅に保管していた自筆証書遺言書を法務局に預け、家裁での検認手続きが不要▽手数料は3900円と安く、相続人は遺言書情報証明書を交付してもらうことで手続きを簡便に進められる▽不動産や預貯金など細かく自書しなければならなかった項目はコピー添付で済む―などのメリットが増えた7月開始の新制度を分かりやすく説明する。
同会は市社協の協力を得て高齢者が集う約110ある「ふれあいサロン」に出前講座の実施を呼び掛け、大和田西集会所では毎月第2・4土曜に行われる白寿お茶飲み会のオファーを快諾した。

老いじたくをひも解く廣兼さん

「失敗しないために、これだけは知っておきたい相続のキホン」の題で、廣兼代表は参加者に○×の札を配り2択クイズを交えつつ、トラブルの実例も紹介。「財産の在り処が分からない親子、夫婦は多い。家族で対話し、いろんな財産をエンディングノートに記して」「相続のことを知っている、知らない差は激しい。子供が慌てずに済むように」などとアドバイスを加えた。
同会は専門職スタッフと地域住民らからなる会員制団体(年会費1000円)。セミナー案内や通信を送り、相続や介護、税金、認知症など高齢者に役立つ情報を提供。市生涯学習人材バンクに登録し、老いじたくにまつわる市民啓発を行う。
パンフレットは、保管制度利用のための自筆証書遺言の書き方をはじめ、申請、相続の手続きを大きな文字やカラー刷りのイラストで解説。パンフレット、出前講座などの問い合わせはFAX0774‐32‐4127、メールhirokaneg@ybb.ne.jpまで。