城陽市市辺中垣内の自営業、冨田保幸さん(63)方で、ロウバイが見頃を迎えた。黄色い可憐な花が甘酸っぱい香りを漂わせ、早春の訪れを告げている。
ロウバイは中国原産の落葉低木。旧暦12月の臘月(ろうげつ)から花を咲かせ、ウメのような香りがすることが名前の由来となったとの説もある。
冨田さん方のロウバイは、約80年前に祖父・武三さんが青谷梅林の一角に植樹した木がルーツ。戦後になって移植されたと伝わり、現在は前栽や裏庭に約20本が群生している。かつて飼っていたニワトリのふんの恩恵で土の養分が豊富なのか、樹勢が途絶えることはない。
昨年の開花時期はやや遅かったが、今年は平年並み。ろう細工のようにつややかな光沢を帯びた薄黄色の花が次々と咲き、道行く人を和ませる。
見頃は2月中旬ごろまで。冨田さんは「ロウバイを楽しみに、写真を撮りに来てくれる人もいます」と話し、庭の中を自由に見学してもらっている。