新人と現職の「一騎打ち」/宇治田原町長選

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任期満了に伴う宇治田原町長選挙が26日に告示され、前町議会議員の今西久美子氏(郷之口中林・59歳)と3選を目指す西谷信夫氏(禅定寺庄地・61歳)が立候補。31日の投票日に向け、5日間の短期決戦に突入した。新人が現職に挑む「一騎打ち」は20年ぶり。町幹部職員による談合収賄事件が影を落とし、浮動票の行方は濁流の中にある。

■「刷新」前面に/今西候補

郷之口北堂山に構える今西陣営の選挙事務所に届け出順「1番」の報告が届くと、陣営は活気づいた。
午前8時45分から始まった出発式で今西候補は、「新型コロナウイルス感染症から住民の命と暮らしを守る町政にする。町の幹部職員が逮捕起訴されるという町政始まって以来の大不祥事の疑惑解明、他の事業でも不正がないか徹底的に検証する。遅霜やコロナの影響で大きな打撃を受けている基幹産業の茶業振興に取り組み、緑茶発祥の地というブランド化も含めて地域活性化を図る」などとした上で、現職が前面に出す山手線整備についても言及。
「山手線は元共産党の町会議員が町長になったらできないのではないか…と相手陣営から聞こえてくるが、昨年9月に府知事さんが既に事業化を約束されている。私も府と協力して全線開通に向け、進んでまいりたい。また、新名神のインターチェンジができることで、今後どんどん土地が開発されていく。私は豊かな自然や農地、皆さんの生活環境を守りながら地域の発展を目指す」とアピールした。
さらに「住民合意のない小学校の統廃合にストップをかけ、財政難を理由に削減された高校生の通学バス代を全額補助に戻す。敬老祝い金減額にもストップをかけ、住民の暮らし第一の町政をつくる。住民の中に落胆や失望が広がる今こそ、町政を刷新し清潔、ガラス張りに。一党一派に偏しない公正なまちづくりを行い、皆さんと幅広く手をつないでワンチームで頑張っていきたい」と力添えを願った。

■「責任」アピール/西谷候補

南亥子に構える西谷陣営の選挙事務所前で午前9時から始まった出陣式に約130人が参集。山城地域の市町村長、保守系の府議、市町村議がズラリと揃った。
西谷候補は、まず、25日の町内の民家火災で亡くなった2名の冥福を祈り、火災と災害に今一度気を引き締めた。
そして「2期8年、拠点づくり、道づくり、未来づくりに取り組んできた。12月には(談合収賄)事件が発生し、皆さんに心からお詫び申し上げなければならない。その対応を含め、今回3期目に挑戦させていただく。町議、町長選挙を行ってきたが、今回ほど危機感を感じる選挙はない。マイナスからのスタートと真摯に受け止め、皆さんにひたむきにお願いしてまいりたい。信頼回復、道路ネットワークの整備、全国でも感染が広がるコロナ感染防止と経済対策に、しっかりと取り組みたい」と約束。
さらに「一昨年は遅霜、昨年はコロナでダメージを受けたお茶の生産者をしっかりと支援したい。大型事業を進める中で持続可能なまちづくりのために財政改革を行い、ハード・ソフトを合わせて、住民の幸福度を高められるよう頑張りたい。知事から目を向けていただき、山手線の全線開通に前向きな答弁をいただいた。この発展を止めてはいけない。しっかりと近隣市町村と連携し、山城地域全体が発展するよう、未来に希望と責任を持つまちづくりに全身全霊で取り組むことを誓う」と声を張り上げた。

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