紙面づくり ひと工夫/久御山町 京都広報賞「知事賞」受賞
知事賞に輝いた広報くみやま12月1日号

久御山町が発行している広報紙「広報くみやま12月1日号」が今年度の京都広報賞で最優秀にあたる府知事賞に輝いた。このほか地元では宇治田原町が会長賞に選ばれ、紙面づくりで高く評価された。
府内市町村の広報技術向上と広報活動の充実を図ろうと、府と府広報協議会(会長・桂川孝裕亀岡市長、30団体)が毎年開催しているコンクール。府内市町村から応募のあった広報作品から優秀なものを選んでいる。
久御山・宇治田原両町は広報紙(町村の部)で受賞。府民から見た広報誌の読みやすさ、見やすさを投票で決定する「府民賞」は、WEB投票で最も点数が高かった広報ふくちやまが選ばれた。

■広報紙の部で快挙/久御山町
久御山町が広報紙の部で知事賞を受賞したのは今回が初めて。受賞作の「まちの総合情報紙広報くみやま12月1日号」では、昨年9月末に45年の歴史に幕を下ろした中央公民館の歩みをたどった。
閉館前に行われた「ありがとうコンサート」での久御山中吹奏楽部の演奏風景を表紙に掲載し、「45年分のありがとう・思い出は胸の中に」のメッセージを添えた。
特集面では、1975年に開館した同館の軌跡を見開きで紹介。開館記念式典や初めて行われた町民文化祭、音楽フェスティバルなどの写真や略歴を盛り込んだ。
次の見開きでは「たくさんの思い出をありがとう」のタイトルを付け、公民館サークルの活動や講座の風景、町民文化祭の様子などの写真、サークル会員に聞いた公民館の思い出や温かなメッセージを載せている。
担当の総務課秘書広報係の片田亮さんは「普段の仕事が客観的に評価されたことが嬉しい。写真の技術や原稿作成で力が足りないので技術向上に努め、楽しい紙面づくりをしていきたい」と話す。繁光拓樹さんは「職員の協力で作っている広報紙。『久御山町』として受賞できたことが良かった。サークル会員の活動している姿や思い出があってこそ」と感謝している。

■大胆なレイアウト高評価/宇治田原町

大胆なレイアウトが評価された「町民の窓」と担当者の中井春花さん

会長賞を受けた広報うじたわら『町民の窓』7月号には、役場「新庁舎」の開庁特集が組まれており、「とても大胆な紙面づくりですね。なかなか思いつかなかったが、見取り図を見るとワクワクできました。また、挟み込みの検診案内やカレンダーは簡単に残しておけるので便利ですね」と、高評価を得た。
総務課主事の中井春花さん(33)が2019年5月号から編集を担当しているが、過去の受賞歴から、大きなプレッシャーもかかっただろう。
2014年度には京都広報賞史上初の広報紙・組み写真・1枚写真の全3部門で知事賞を獲得するという「3冠」を達成し、組み写真は全国コンクールで総務大臣賞と読売新聞社賞にも輝いた。
18年度まで京都広報賞で12の受賞、全国コンクールで4受賞、近畿市町村広報紙コンクールで3受賞と、当初は先輩が作成した紙面が、どうしても頭に浮かんだはずだが、それからは好きな写真撮影を通して、独自の感性を磨いてきた。
編集は基本1人で行い、各課から出てくる記事やお知らせを集約し、その月の特集をまとめて全体をレイアウト。トピックスを扱う「まちかどほっとナウ」も手掛け、編集後記的なコラム「くとうてん」も書く。
月1回の発行だが、タブロイド12ページにカレンダーや各種案内が付くと、締め切り日は駆け足でやって来る。でも、きょうもカメラを肩に笑顔が光る。