各地で桜(ソメイヨシノ)が咲き始めたが、宇治田原町の山里では「家康の逃避行」を見守ったであろう老梅が、悠久の時を経て、今年も見事な花を付けた。
奥山田岳谷の高野山真言宗「遍照院」に枝を張るのは、樹齢500年とも言われる京都府名木百選の一つ「八重の紅梅」。
杉山浩義住職によると、暖冬の影響か…例年より10日ほど開花が早いというが、その凛とした姿は、しみじみとした風情を感じさせ、訪れた人たちを、かぐわしい香りで陽春へと導いている。
遍照院は元亀元年(1570)の開基。国道307号で滋賀県方面に向かい、奥山田バイパスの大杉トンネルを抜けると、約1・5㌔先の右側・山手に建つ。