純白の「カラー」 京阪神へ/城陽
切り花「カラー」の出荷作業に励む𠮷田さん

新年度が始まり、これから入学式や春のブライダルシーズンが本格化する。
新型コロナウイルス感染拡大による催しへの影響が心配されるが、城陽市内の生産農家では今、純白で清らかなイメージが強い切り花「カラー」の出荷が盛んに行われている。
カラーは別名「カイウ(海芋)」と呼ばれ、原産地は南アフリカ。サトイモ科特有の花びらを保護する「仏炎包(ぶつえんほう)」が、純白の花弁のように見え、結婚式などに人気を博している。
城陽での生産量は「花しょうぶ」とともに府内№1を誇り、京阪神方面へ出荷されている。カラーの生産期は毎年11月から4月中旬と長期間に及ぶが、やはり年度をまたぎ、卒・入学式がある3、4月が最も需要が多い。
同市奈島十六の𠮷田真己さん(46)でも朝7時30分ごろから市辺小梨間にある広さ25㌃のハウス内で、カラーを収穫し、自宅の作業場で長さごとの選別、箱詰めを行っている。
出荷は毎週日・火・木の週3回。今年は、冬場に暖かい日が多かったため、出荷量は微減。ピークは2~3月ごろと、需要が高まる時期より少し早まってしまったようだ。
𠮷田さんは2012年まで会社員をしていたが、祖父・父に続く3代目として花き栽培を継ぐことを決意。昨年春は、コロナで花き需要は激減したが、今年は「卒業式や入学式が行われ、飲食店を利用した歓送迎会が実施されない代わりに、送りものとしてブーケを送られる方が増えたことで、昨年ほどの影響はないでしょう」と話していた。