香り高し「新茶1号」誕生/宇治田原

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本格的な茶摘みシーズンを前に、茶どころ宇治田原町で新茶1号が誕生した。JA宇治田原町支店の製茶技術研修工場で18日、伝統的な手揉み製法により、19日の初市に出荷する煎茶を仕上げた。
同町出品茶対策協議会などが初市に合わせ開いてきた製法実演会は、新型コロナ感染症対策のため、昨年に続いて中止とした。また一般見学も受け付けず、無観客で実施した。
会場では、宇治田原手揉み保存会(下岡清富代表)のメンバー6人が、前日に初摘みした新芽10㌔を、作業台の「焙炉(ほいろ)」を使って少数精鋭で製茶。同所を訪れた西谷信夫町長も焙炉の前に立ち、香り高い茶葉の感触を確かめた。
午前10時に始まった作業では、蒸し上げた茶葉を手でかき上げて振り落とす「茶切り」や、転がすように揉んで中の水分を表面に出していく「横まくり」に打ち込んだ。
午後は、形を整える「茶揃え」や葉を板に付けて伸ばす「板ずり」の工程を行い、約6時間の作業を経て、色つやと香りを高めた上質茶約1・5㌔が出来上がった。
下岡代表(47)は「朝夕に冷え込む時期だが、気温はこれから上がっていくので良い茶ができるだろう」「昨年は新型コロナの影響で茶業全体が不振に終わった。先日、府立医大の教授の発表で、コロナ予防に緑茶が効くとの報道があり、これを契機に茶の消費が伸びたらいいなと思う」と期待を込めた。
今回の煎茶は、静岡県で開催予定の「全国手揉み茶品評会」にも出品するという。

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