大阪で緊急事態宣言の要望が出され、コロナ禍の収束が見込めない中、毎年6月5日から6日未明にかけて行われる“暗闇の奇祭”こと宇治の「県祭り(あがたまつり)」について中止が発表された。
近年は県神社と宇治神社に分散して実施しているが、宇治商工会議所と宇治市観光協会が年替わりで事務局を務める「県祭安全対策推進協議会」が両神社と協議を行い、20日に明らかにしたもの。
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、来場者や関係者の安全を考慮。毎年多くの人出で賑わう露店と、夜間の梵天巡行(渡御)を取りやめる。
神事については両神社とも昨年に続き「居祭り」とする。宇治神社では午前に御旅所で幣渡祭(へいとさい)、県神社では午前と夕方に「朝御饌(あさみけ)・夕御饌(ゆうみけ)の儀」を関係者のみで執り行う。
2年連続の中止決定を受け、協議会の関係者は「葵祭や祇園祭も中止の発表があり、コロナ収束が見込めず先行きが分からない状態。県祭りも例年多くの方が来られるので、大変残念だが中止の判断をした」と話していた。