新茶の緑に 感じる初夏/宇治で八十八夜「茶摘み」
マスク姿ながら笑顔で茶摘みをする宇治茶レディ

夏も近づく…の歌で知られる「八十八夜」の1日、宇治市宇治折居の茶業センター茶園で、新茶の茶摘みが開かれた。先月下旬に出された新型コロナウイルス感染予防の緊急事態宣言を受け、来賓および一般参加を取り止め、関係者のみのセレモニーとした。
毎年5月初めに開く市民参加のイベント「宇治新茶八十八夜茶摘みの集い」(府茶業会議所など主催)は、昨年はコロナで中止に。今年は定員ありの分散開催を予定していたが、再び府内に緊急事態が発令されたことで、急きょ関係者のみの開催とした。
午前10時、茶業センターの茶園入口に関係者ら約20人が集まった。昨年の同イベントでデビューを果たせなかった宇治茶レディ4人も、茜だすきに姉さんかぶりの茶摘み娘姿で加わった。
府茶業会議所の堀井長太郎会頭が、緊急事態宣言によるイベント中止について陳謝した後「八十八夜の茶は、昔から不老長寿の源、仙薬と言われています。コロナで『おうち時間』が多くなったと思われますので、ご自宅などで香り高い新茶を味わっていただければ」と挨拶した。

茶摘みのセレモニーに参加した堀井会頭(左)と松村市長

松村淳子宇治市長は「茶業研究所からも、お茶がコロナの予防に効く…との報告がありました。ゆっくり時間をかけて、心を静めながら緑茶をいただく…その時間が次のステップにつながるように思います」と述べた。
2人の挨拶の後、関係者たちが茶園へと移動。今年は暖冬で例年より生育が早く、大人の身長ほどに伸びた茶の枝をかき分け、定位置に到着。この日の雨予報とは裏腹に、明るい日差しの下で照り輝く緑の新芽を摘み取っていった。