稚アユ放流に地元園児が参加/宇治川漁協
園児が放った稚アユが勢いよく宇治川へ

アユ漁の解禁を前に、宇治川漁業協同組合(澤田章治代表理事組合長、組合員149人)は7日から、稚アユの放流を始めた。今年1回目の放流には、地元の園児にも参加してもらい、宇治川や、そこにすむ生き物について学ぶ体験学習も行った。
滋賀県彦根市から運ばれてきた琵琶湖産の稚アユは、一匹あたり体長約10㌢、7~10㌘。解禁時には18~20㌢、45~50㌘まで成長する見込み。6月初旬までに計約500㌔を3回に分けて宇治川本流や支流に放つ予定。
この日、宇治橋下流の宇治川右岸の丸山浜で行われた今年初めての放流には、社会福祉法人宇治福祉園(杉本一久理事長)が運営するみんなのき三室戸こども園、みんなのき黄檗こども園、みんなのきHana花保育園、みんなのき三山木こども園の年長児計86人も参加した。
同組合の小山勝利副組合長は、挨拶で「みなさんの目の前に広がる宇治川は、日本一美しい川に選ばれたことがある。宇治の宝物です。大切に守っていきましょう」と呼び掛けた。

宇治川の生き物について解説する竹門准教授

また、京都大学防災研究所水資源環境研究センターの竹門康弘准教授は、宇治川の生態について解説。予め捕まえておいたカワニナ、テナガエビ、ヌマエビ、府の絶滅危惧種にも指定されている希少なミズスマシなど数種類の生き物を園児に見せながら「宇治川には特殊な生き物がいっぱい。上流の琵琶湖から、エサとなるプランクトンがたくさん流れてくるから、虫や魚が大きく育ちます」などと、わかりやすく語り掛けた。「これから放流するアユはスイカの匂いがするよ」とも。
生き物の大切さを学んだ園児らは、いよいよメインイベントへ。一人ひとりが、中にはバケツから飛び出すほどの元気いっぱいの稚アユを、宇治川へとつながる、波板で作られた滑り台へ放った。ピチピチと音を立て、水しぶきを上げながら流れてゆく姿を目で追いながら「元気で大きくなぁれ!」と声を掛けていた。三室戸こども園の女児(5)は「楽しかった。大きくなったら食べたい」とニッコリ。参加した園児全員で約1万5000匹、150㌔を放流した。
今年のアユ漁は6月6日(日)午前5時に解禁され、友釣りシーズンを迎える。遊漁券は年券7000円(販売中)、日券3000円(6月16日より販売)。中学生以下、身体障害者手帳持参者は半額。遊漁券は宇治蓮華の同組合事務所(℡20‐8181)、市内の各釣具店で購入できる。