加齢に伴う心身や生活の変化が重なって起こる「フレイル(虚弱)」の予防教室が14日、久御山町役場コンベンションホールで開かれた。高齢者約30人が伸び伸びと体を動かし〝長期戦〟となっているコロナ禍、在宅でも簡単にできる軽運動を覚えた。
町シニアクラブ連合会(惠達男会長)の主催の医療講演会。㈱ノーザンライツ・コーポレーションの健康運動指導士・小嶋拓平さん(45)が、マスクで隠れた口の周りの筋肉をほぐす体操や、いすに座ったままできる体操をアドバイスした。
小嶋さんは、ユーモアたっぷりのトークを交えて教室を進行。ストレスが溜まると歯を食いしばってしまい、顎関節周辺の筋肉が凝る。それを手でグリグリとほぐすと〝小顔〟にも効果があることや、遠くを見ることで、目の周りの筋肉をほぐせることを説明。舌を使って口の中を押したり、「え」・「お」と発声するトレーニングでは、「ひどい顔になってるよ。誰も見てへん。マスクしてるから大丈夫」と笑いを誘っていた。
このほか、椅子に座った状態で、尻の骨を足に見立てて、いすの上で「気を付け」をすると、必要な筋肉を使った状態で姿勢が良くなると解説。この時、手をお腹に近づけることで、腰痛予防にもなることを紹介した。胸を開く運動でスムーズな呼吸を促したり、尻歩きで骨盤を動かす運動を指導した。
しっかりと体を動かした後の休憩時に体が強くなるが、その時に必要なのが栄養。口が動かなくなると栄養が摂れなくなるので、顔の体操を行ってしっかり食べることも促した。
また、腹筋を鍛えるなどして姿勢が良くなると、内臓が本来の位置に戻り、眠りの質も改善されることも説明。テレビを見ながらでもできる運動の数々を紹介し、フレイルに陥らないように呼び掛けた。
終始、和やかにすすんだ1時間の教室はあっという間に終了。同大橋辺町から参加した70代の女性は、「楽しく学べました。家でもやります。先生のトークも楽しかった」と、笑顔で話していた。