9月初めにかけ甘さ増す/城陽特産 イチジク収穫ピーク

城陽市特産の朝採り、完熟イチジクの収穫が最盛期を迎え、生産農家が作業に追われている。京都中央市場で9割のシェアを誇る人気は今年も健在。実が日持ちしないため、地元のスーパーや直売所で購入するのがお勧めだが、多くの店舗で完売続出のよう。ここ数日、残暑が厳しくなる予報で、8月末から9月初めのイチジクは特に甘みが増しそうだ。
市内には寺田、富野、枇杷庄、観音堂地域を中心に約120戸の農家が合わせて約20㌶のイチジク畑で、年間約450㌧を生産。府内最大の産地をアピールすべく、市イメージキャラクター『じょうりんちゃん』のモチーフにもなっている。
生産農家らは、JA京都やましろ城陽イチジク部会(木村正樹部会長)を組織。都市近郊の立地条件を生かし、地元の強みを生かした営農を展開している。今の時期は、完熟した実を厳選して早朝5時ごろから畑に出て収穫作業を始め、暑くなる前の8時ごろには実を採り終える。すぐにパック詰めして、その日の昼頃にはスーパーや直売所の店頭に商品として並ぶ。
木村部会長(55)=枇杷庄=が所有するイチジク畑でも、赤みを帯びた完熟の実の収穫が第2のピークを迎えた。
今年の近畿地方は気象庁の観測史上、最も長い梅雨だったこともあり、他の野菜類などと同様にイチジクも日照不足の影響が心配された。さらに、8月中旬にも秋雨前線の停滞で府南部も雨続きだったため、実は大きくなるものの「甘みが増し、これから、さらに美味しくなります」と木村部会長は話す。
自身は市内5~6カ所に計約1・3㌶のイチジク畑を所有。1600本の木々を管理している。
「最高気温が35℃を超すと実の熟しも早くなり、畑全体を見て回らなければなりません」と、家族のほか地域の女性5~6人の助けを借りて日々、収穫作業に汗を流している。
出荷先は、城陽旬菜市直売所やスーパー、京都中央と南部市場など。東京の豊洲市場にも出荷を始め「関東は値段が高いので今後、出荷量を増やしていきたい」と意気込む。
市内でのイチジクの収穫は11月ごろまで続く。