現在とらえ、まちづくり模索/「中宇治BASE」オープン

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一般社団法人アーバンデザインセンター宇治(UDCU、センター長=森正美・京都文教大学副学長)の設立と、活動拠点となる中宇治BASE(ベース)のオープニング記念を兼ねたキックオフイベント「UDCUオープンハウス・中宇治トーク」が開かれ、地元内外の有志らが界隈の「これまでとこれから」に思いをめぐらせた。菟道小学校の児童も参加するワークショップを同時進行している。
地域住民と学生、専門家などが集まり、これからの「まちづくり」を話し合い、様々な取り組みをスタートさせよう―と、立ち上げられた一般社団法人アーバンデザインセンター宇治。
活動拠点となる中宇治BASEは、宇治橋通り商店街の妙楽広場脇の小路を入った旧今村酒店=宇治妙楽=をリユース。
町家の佇まいを今に生かし、モダンにリフォームした老若男女が活躍できるスペースを志向している。
1階にはホール、中2階にミーティングスペースがあり、コリドー(回廊)、トイレなどを備える。ワークショップや会合、セミナー、展示などに利用できる。
ホールを主会場にしたオープニングイベントは対面・オンラインを併用し、まちづくり活動の見晴らしがよい展望に努めた。

地元を愛する有志たちが議論を見守った

会場には、プロジェクトを進める地元内外の学生をはじめ、関心を寄せる市民、関係する市職員ら約25人が足を運び、遠隔通信も介したプレゼンテーション、討論を繰り広げた。
大学合同プロジェクトチームによる「中宇治のまちづくり~これまでとこれから」では、東京大学・京都文教大学・慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス・奈良女子大学の4大学連携の企画・運営体制を紹介し、経過や成果に触れた。
地域で暮らす人々、子供たちが、日常生活の中で利用できる小さな広場や公園、緑地、空き地、安全な街路、路地などを総称する「まちにわ」。
中宇治エリアで、地元・菟道小の児童に参加を呼び掛け、「まちにわ」を冠した取り組みを進め、マップ作り、ふれあいパークを作って遊んでみよう―と、ワークショップのワクワク感を伝える。

■期待膨らむ まちにわ
松村淳子市長を含む10人がテーブルを囲んだパネルディスカッションも行われ、▽ツーリズムとまちづくり(コロナの影響とどのように向き合うか)▽居住者の多様性(ライフステージ、ワーク・ライフスタイル)▽中宇治がモデルとなるために(まちづくりを市内他地域にどのように広げるか)といったテーマを掲げた。

松村市長をはじめ、学生、教授、商店主らが自由に思いを語り合った

パネラーのうち、地元出身で慶大大学院教授(環境情報学)の石川初(はじめ)さんは「(中宇治は)昔、まちに出る感覚の市街地イメージだったが、最近は観光地の印象。インバウンドが減った時、地元住民で楽しめるものがあれば強い。観光地だけではポキッと折れてしまう」などと述べた。
多世代交流ができる場の創出、子育て環境の整備を求める声も多く、松村市長は「大人が子供を見続け、見守る。子育てにやさしいまちを目指していきたい」と声を強めた。
同法人は、7・8月にキックオフイベントをはじめ、「まちにわマップをえがこう」「ふれあいパークをえがこう」のワークショップ2回を開催。
今秋に、芝生張りやファニチャー(家具)作りをイメージする「ふれあいパークをつくろう」、来春に「ふれあいパークであそぼう」を予定している。
ホームページ(udcuji.net)にこれまでと、これからの取り組み、ワークショップなどの詳細を掲載。子育て環境に関するアンケートも実施中。問い合わせはメールinfo@udcuji.netで。

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