地蔵盆で秘仏御開帳/宇治・誓澄寺
開帳法要で地蔵菩薩に手を合わせる檀信徒ら

宇治市槇島町大幡の浄土宗誓澄寺(吉良真勝住職)で4日、「地蔵盆」が行われた。参拝に訪れた檀信徒らは、年に1度の御開帳を迎えた秘仏「地蔵菩薩坐像」に向かって焼香し、手を合わせて子供たちの幸せなどを祈願した。
寺伝によると、誓澄寺は鎌倉時代の正安2(1300)年に臨済宗の禅僧・夢窓疎石が開創し、天文11(1542)年に僧・徳山が再興した。近辺に「槇島の釣月庵」があったとされ、古くから月を愛でる場所として知られる。
「地蔵菩薩坐像」は、子供たちの健やかな成長や、子授け、安産に御利益があるとされ、同寺は「子授け地蔵さん」としても親しまれている。
この日は、筆頭総代の辻繁喜さん、地蔵講代表の宮田正廣さんら檀信徒が集まり、午前10時過ぎ、吉良住職の読経で御開帳法要が始まった。住職は法要後、コロナ禍中に一人暮らしの高齢者宅を訪れて囲碁や将棋を指した経験などをもとに「もっとみんなが喜べる何かができるのでは。コロナ後に向けてしっかり考えたい」と檀信徒らに話した。
感染症予防のため午後の仏行は中止し、例年行ってきたゲーム大会なども、昨年に続き取り止めとした。