首長決戦「一騎打ち」幕開け/城陽市長選

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街中を東西に貫く国土軸・新名神高速道路の全線開通(2023年度末)を間近に控え、大切な4年間の市政かじ取り役を決める城陽市長選が5日告示された。無所属の新人・中野恭子候補(75)=共産推薦=と、無所属の現職・奥田敏晴候補(76)=自民、公明、立憲、国民推薦=が立候補し、事前の予想通り一騎打ちの戦いを展開する。投開票は12日(日)。街宣初日は中野候補に倉林明子参院議員(共産)、奥田候補には西田昌司参院議員(自民)、山井和則衆院議員(立憲)らが駆け付け、応援演説を行った。ただ、有権者の関心は今一つ、コロナ緊急事態宣言で不要不急の外出自粛が呼び掛けられる中、両陣営とも支持拡大に頭を悩ませている。
告示日の5日は午前8時30分の立候補受付開始時間までに、市役所第1会議室には2陣営の関係者が到着した。まず、予備抽選では①奥田②中野となり、その順番に従って本抽選を行ったところ、これが逆になり「①中野②奥田」で届け出順が確定した。
午前9時から両陣営が事務所前で出陣式。ただ、コロナ感染拡大防止の観点から、多くの支援者が集まることなく、双方ともスピーディーに街宣カーを送り出した。
したがって、両候補とも事実上の第一声は、アル・プラザ城陽南側の街宣で行われた。
その先陣を切って午前11時15分から自民・公明主体のスポット演説でマイクを握った奥田候補は「皆さんのお力添えもあり、これからの城陽市は劇的に変わります。新名神の全線開通を契機に長池にはアウトレット、青谷には物流拠点が整備されます。すでに完成している新市街地サンフォルテ城陽や白坂テクノパークと共に、今までのベッドタウンから法人税収がしっかり得られるまちになります。その財源を教育・福祉の充実に還元してまいりたい。ホップ(1期)・ステップ(2期)と取り組ませていただき、ジャンプ(3期)まで、もう一息。NEW城陽のまちづくりをぜひ進めさせていただきたい」と声を大に訴え、支援者から大拍手を浴びた。
正午からは、中野候補がほぼ同じ場所でマイクを握った。「コロナ禍の中、市民の命と暮らしを守るのが本来の市政の役目。なのに今の市政は大型開発ばかりにお金を使い、私たちに回ってこない。そして、腹が立つのは防災対策。全国各地で集中豪雨による水害が発生する中、浸水想定区域の市西部住民に知人・友人を頼って『東へ逃げてください』と広報する…こんな冷たい市政が許されますか。さらに、コロナで収入が減って大変な家庭が多い中、水道料金に続いて下水道使用料、給食費まで値上げする。これは市民の方を向いていない証拠。大型開発か、市民の暮らしか…どちらを向く市長を選ぶかの戦い。1週間頑張り抜き、命・暮らし・防災対策最優先の市政に変えようではありませんか」と大演説。中野候補の政策を記したプラカードを持った支援者からマスク越しに声援が寄せられた。
中野、奥田両候補とも12日(日)の投票日まで支持拡大に全力姿勢。しかし、奥田候補は現職だけに「コロナ対策を優先したい」と、平日昼間の開庁時間帯は選挙カーに乗車せず、市役所での執務にあたる方針。
市内は、今回同様の一騎打ち構図だった前回4年前の市長選時以上の低調ムード。コロナ禍の中、前回の投票率37・52%(過去最低)を下回るとの予想が大半を占める。

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