ネクスコ西日本関西支社(永田順宏支社長)=大阪府茨木市=は27日、京都市山科区の新名神京都事務所会議室で、沿線市町の担当者らを集めた連絡調整会議を初開催し、大津~城陽間(約25㌔)の開通予定を1年先延ばし、2024年度末とすることを明らかにした。城陽市内で新名神と同時開業を目指している府内初のアウトレットのオープン時期などに影響が出る可能性もある。
新名神は、名古屋市から神戸市を結ぶ延長174㌔の新しい国土軸。地元では、2017年4月に「城陽JCT・IC~八幡京田辺JCT・IC」間約3・5㌔が先行開通している。
一時、当面着工しない区間とされていた「大津~城陽」「八幡~高槻」間も12年4月に国交省による事業許可が出され、ネクスコ西日本により事業着手中。
「大津~城陽」のうち、京都府域は宇治田原町と城陽市にまたがる約17・7㌔。その間には、仮称「宇治田原IC」「城陽スマートIC」「城陽JCT・IC(供用済み)」の3つの出入口が整備され、名古屋あるいは大阪、神戸方面からの交流人口増加に期待が集まっている。
さらに、城陽市の東部丘陵地・長池先行整備区域では、三菱地所グループによる「プレミアム・アウトレット」が整備され、府内初の大規模商業施設オープンが城陽市のみならず、府南部全体のにぎわいにつながるとの声が経済界から聞かれている。
そのような中、ネクスコ西日本は27日、国交省近畿地方整備局や滋賀県・京都府をはじめ、大津市・城陽市・宇治田原町の担当職員と、ネクスコ西日本の担当者らが一堂に会する連絡調整会議を開き、「大津~城陽」間の進捗を報告した。
その中で▽用地買収は99%終えているが、移転が未了な箇所が存在する(宇治田原町域)▽土地の引き渡しが遅れた一部地域では、保安林解除等の手続きを行っており、工事が未着手(城陽市域)などの理由で、開通予定を2023年度から1年先送り『2024年度』とすると明らかにした。
これにより、新名神の開通と同時開業を目指しているアウトレットのオープン時期に影響が出る可能性もあり、今後の動向に注目が集まりそうだ。