「厳しい1年」に警戒/久御山・雙栗神社「粥占神事」
小豆粥の詰まり具合を見定める宮総代ら

竹筒の粥の入り具合でその年の農作物の作況と天候を占う「粥占(かゆうら)神事」が15日未明、久御山町佐山の雙栗神社で営まれた。今年は「厳しい1年」との見立てとなった。
江戸時代後期から続くとされる小正月の行事。小豆粥を炊く大釜に早稲(わせ)、中稲(なかて)、晩稲(おくて)、綿、大豆、芋(いも)、黍(きび)、梨の8種類の作物の札をつけた竹筒(長さ10㌢余り、直径1㌢)を入れる。煮上がった釜から竹筒を取り出して割り、入っている粥の量から作物ごとに豊凶や天候を占う。
神事には神社総代や神職、地元の佐山・林両自治会関係者らが参列。木の摩擦熱で種火を起こし、町産米1升と小豆3合を炊いた。
8本の筒の粥の詰まり具合は▽早稲3分▽中稲6分▽晩稲4分▽綿2分▽大豆2分▽芋4分▽黍2分▽梨1分。
全体的に詰まり具合が悪く、参列者は「悪いなぁ。ここまで入らないのは珍しい…」と困惑。「初夏の天候不順が予想される。(昨年は1回の上陸だった)台風も(何度か)来るやろう。冷夏になる可能性も…」と表情を曇らせた。昨年とは裏腹に農業にとって厳しい年になると予想し、警戒感を強めるとともに気を引き締めていた。
粥の詰まり具合は御神差に書かれ、佐山・林地域の氏子宅に配られた。