宇治茶の新たな一大物流拠点となる「JA全農京都・宇治茶流通センター」=城陽市寺田塚本=が完成し、26日、同所で竣工式が行われた。
近年、抹茶需要の活性化が図られる中、原料となるてん茶の荒茶生産が拡大することによるJA集荷場の処理能力や冷蔵庫保管スペースの不足が懸案となっていた。
同施設は、1973年に建設されてこれまで役割を担っていた「JA全農京都茶市場」=城陽市寺田垣内後=の機能を、約50年ぶりに拡充・移転するもの。敷地は約1万平方㍍、建物は鉄筋コンクリート造・延べ床面積約5500平方㍍で、年間3000㌧に上る京都府内産荒茶(宇治茶)のうち、2000㌧を集約する。
施設内の茶専用冷蔵庫は高さが23・5㍍ある巨大なもので、もみ茶換算2000㌧をマイナス2℃・湿度45%で保管できる。入り口にコンテナを設置すると、自動で内部へ格納される。
荷さばき場は1日に300点(50㌧)の荷さばき出荷が可能。入札会場は600平方㍍あり、従来の1・8倍に上る750点の一斉展示が可能となる。
式典では、中川泰宏・全国農業協同組合連合会京都府本部運営委員会会長が式辞に立ち、「農家は最高のものを作る。最高の値段で買っていただき、より使っていただけるよう、最善の努力を」と声を高めた。また、西脇隆俊・京都府知事らが来賓祝辞を述べた。
式後、山田保・同本部副本部長は報道の取材に応じ、「城陽インターの近くという好立地。コロナ後の需要に向けて、今から準備をする。海外の消費者にも宇治茶を飲んでいただきたい。輸出にも力を入れていく」と意気込みを伝えた。