待ち望んだ心和むひととき/京田辺一休寺「一休善哉の日」
2年ぶりとなる一休寺名物おぜんざいに舌鼓を打つ

「とんち一休和尚建立の寺」として知られる酬恩庵一休寺(田邊宗一住職)=京田辺市薪里ノ内=で30日、1月最終日曜恒例「一休善哉の日」が行われ、市内外から訪れた家族連れなどが特製のおぜんざいに心も体もほっこりと温めた。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い昨年は中止し、2年ぶりの開催。
その昔、一休禅師が小豆入りのお汁粉を食べ、経典にもある「善き哉(よきかな)。この汁」と言を発したことに因んで、善哉(ぜんざい)の名付け親とされる。
同寺が由縁をアピールしよう―と始まった催しは、今年で17回目。

心願成就」「家内安全」など願いや誓いを絵馬に記した

この日も、絵馬祈祷奉納と善哉のセットで参拝者を温かく迎え入れ、心を整えに足を運んだ大人と子供たちが、1年の誓いや願いを絵馬に書き入れ、静かに手を合わせた。
変異オミ株が急拡大を見せるが、NPO法人一休酬恩会のスタッフもサポートする会場では感染防止を徹底し、歩行経路を定めて座席間隔も広めにとった。
例年の半分ほどの席数に抑えた離れでは、親子連れ、夫婦らが程よくゆで上がった小豆もふんだんに入り、湯気が立ち上るおぜんざいのふるまいに笑顔をあふれさせた。
宇治市菟道からここ5年ほど続けてやって来る西野俊一さん、ひろみさんは「正月からひと月経つ頃のおぜんざいがたまらなくよい」「おいしい。温まる。今年もないかなあ、と思っていたが、工夫してやってくださってうれしい。田舎を思い出すような趣き」と風味も境内の雰囲気も堪能した。