ワーケーション実現いかに/京都文教大・地域課題研究発表
行政担当者を前に「宇治市ワーケーションツアー」について発表した学生たち

宇治市槇島町の京都文教大学(平岡聡学長)で18日、府南部でのフィールドワークを通じた地域課題解決クラスの成果発表会が開かれた。総合社会学部の2年生を中心とした3つのグループが、行政担当者を前にプレゼンテーションを行った。
この授業は、昨年度から同校の正規プログラムとなっており、19年5月に採択された内閣府「地方と東京圏の学生対流促進事業」として実施。プレゼンの模様は、淑徳大学と埼玉工業大学に中継された。なお、20年2月には3校の学生が共同研究を行った。
今年度は、宇治市、久御山町、城陽市の政策担当者が、各地における課題を提供。学生たちは、今月14日に行った事前学習で地域課題を明らかにした後、15~17日にフィールドワークを通じて解決案をまとめあげた。
宇治市の課題「子育てにやさしいまちづくり事業を通した魅力発信」に取り組んだグループは「宇治市ワーケーションツアー」と題して発表。関東圏の親子連れが金土日曜の3日間を使って、普段の職場から離れた観光地でのワーク(仕事)とバケーション(休暇)の両方を楽しんでもらうプランを紹介した。
学生たちは、市が出した原案に見直しを加え、初日に歴史公園と「茶づな」訪問を設定。2日目は、炭山で子供だけの山村留学体験を開催することで、子の自立性や協調性を養うとともに、親には仕事場を提供し子育てから一旦離れてもらう…など内容を深めた。
質疑応答の時間では、効果的な告知法を尋ねた質問や「田舎ならではの交流ができるなど成功例もある一方、失敗例もある。せっかく遠くまで来たのに仕事に集中して下さい…というのは、矛盾しているように思う」との指摘が上がった。
久御山町における「SDGsの啓発と普及」については、特産物を扱う屋台コーナー、フードドライブ(家庭や事業所で余った食品を寄付する)事業、地域の製造業の技術を生かした製品展示や体験型ブース…などを複合した「くみやまつり(祭)の開催」が提唱された。
城陽市の課題「学生(若者)にとって魅力あるまちづくり」を担当したグループは、BMXなど話題性のあるスポーツが可能な複合施設の建設や、ロゴスランドの一部のサテライトオフィス化、24年に開業予定のアウトレット内へ五里五里市を移転する企画を示した。