宇治市のふるさと納税(応援寄付金)が昨年度、約1億7690万円となり、前年度から約1・7倍に増え、2年連続で最多を更新した。寄付件数は1万800件と初めて大台に乗り、2024年度の目標に設定していた4900件を早くも達成。返礼品の充実、広報戦略の強化で順調に寄付を伸ばしている。
ふるさと納税は、実質2000円の自己負担で様々な返礼品が手に入る制度で、給与年収、配偶者控除や子供の有無などで寄付の上限額が決定する。寄付額に応じて市民税が控除される仕組み。上限の範囲内ならば返礼品をもらった方が〝お得〟なため、利用者が増加しており、全国の自治体で競争が繰り広げられている。
宇治市では15年度に本格参戦した。実績は▽15年度・約3780万円▽16年度・約6310万円▽17年度・約7790万円▽18年度・約7010万円▽19年度・約5940万円▽20年度・約1億290万円と推移。他自治体との競争に競り負け、大きく減らした年度もあったが、一昨年度は受付サイトを1つから4つに拡充したこともあり、1億円の大台に乗った。
昨年度は返礼品を約350まで50アイテム程度増やしたほか、衣類品通販大手「ZOZO」創業者の前澤友作さんの公募情報をキャッチするや積極的に売り込んで500万円を獲得。ふるさと納税が集中する12月に楽天ポータルサイトに約20万円の広告を掲載し、そこを経由して約200万円を得るなど成果を上げてきた。
また、出店事業者は約80で、新たに約20店を獲得。ふるさと納税を通じて自社製品を知ってもらい、今後の売上増大につなげようとPRしてきたことを奏功した。
これらの結果、過去最多となる1億7690万円が集まり、前年度の約1・7倍に増えた。比較的単価の低いアイテムに寄付が集中したため、寄付件数は約1万800件となり、前年度の約2・3倍に急増。第2次まち・ひと・しごと創生総合戦略(20~24年度)で4900件を目標設定していたが、3年を残してクリアしたため、今後上方修正を検討する。