城陽市立図書館の「大人の講座」が25日、東部コミセンで開かれ、水度神社の宮司・水田清比古さんが「水度神社~先人の思い、今に~」と題して講演した。
旧・寺田村の氏神として信仰されている水度神社の本殿は、社殿の棟札に書かれた記録から、室町時代の1448(文安5)年に造営されたことがわかっている。創建年代が判明している市内の社寺の中で最古の建物。
講演では、改修後の本殿をはじめとした神社の沿革と、社内で見つかった貴重な史料を紹介。水田さんは、1831年に奉納されたという「おかげ踊り図絵馬」の写真を見せながら「前年の夏、京都で数百人が亡くなる地震があった。踊りには、改革や世直しの意味が込められていたと思う」と話した。
「おかげ踊り」絵馬の実物は、縦1・4㍍×横1・7㍍と巨大な物。江戸期に広まった伊勢神宮参拝「おかげ参り」に続いて大流行した。寺田村でも若者が家業を休んで練習し、コンクールのように地区ごとに踊った。有り余るエネルギーで、佐山(久御山町)や新田(宇治市)まで〝出張〟するほどだったという。
水田さんは、コロナ禍で例大祭中止となっても神事は粛々と続けていることに触れ「先人の神社・氏神様への厚い思い、信仰を感じて頂けたら幸い。紹介した文化財は社務所にあるので関心のある方は見に来て」と呼び掛けた。