子供、高齢者見守りで連携/城陽署、市内郵便局
郵便局の集配用バイクに『こども110番のくるま』のステッカーを貼り付け

郵便配達員が総力を挙げ、子供や高齢者の見守り活動を開始。城陽署(森功治署長)と城陽郵便局(安居初代局長)をはじめとする市内9郵便局は、府民協働ステーション活動の一環として「地域の安全に関する協定」を締結した。ながら見守りに関する協定は木津署も管内郵便局と行っているが、市内をくまなく巡回する郵便局員に防犯情報を届け、子供の安全や徘徊高齢者等の保護にあたるのは府内でも初めて。特に高齢化率の高い街だけに、その成果に期待が集まる。
城陽市内の高齢化率は33・81%=昨年4月時点=と、府南部市では最も高く、すでに3人に1人が65歳以上のまちとなっている。認知症高齢者の徘徊、行方不明や子供の登下校途中の不審者遭遇を含めると、年間50件程度の事案が発生しており、民警が一体となった防犯活動がさらに重要性を増している。
そこで、城陽署は常時バイク45台、車13台を使用し、市内で郵便物の集配業務を行っている城陽郵便局をはじめ、市内に8つある特定郵便局に、子供や高齢者の見守り活動の協力を求めることに…。特定局は窓口で市民からの防犯情報が寄せられた場合、同署へ連絡してもらう体制を構築した。
郵便物の集配業務に従事している局員らは、情報端末機器を携帯しており、もし子供に対する声かけ事案や高齢者の捜索願いがあった場合、それらの情報を端末機器に届け、目を光らせてもらう。
郵便局のバイクや車両には『こども110番のくるま』のステッカーを貼り付け、被害に遭った子供たちが助けを求めやすいようにした。

子供、高齢者の見守りの責務を担い、市内への集配業務出発する局員ら

11日には、城陽郵便局内で協定締結式が開かれ、城陽署と日本郵便㈱の間で地域の安全に関する協定が交わされ、森署長と安居局長がそれぞれの協定書に署名した。
森署長は「市内一円を走行されている郵便局の協力は大変、心強い。警察だけでは、なかなか管内すべてに目を光らせることは難しく、連携して安全、安心なまちづくりに努めたい」と挨拶。安居局長は「子供や高齢者を見掛けた時、今までどうしようと思っていた局員も今後はしっかり責務として対応できると信じている」と積極的な地域貢献に意欲を示した。
締結式には、同署から須原浩樹副署長や河村智之地域課長、山崎卓也生活安全課長らが出席。日本郵便㈱側も城陽郵便局の管理職をはじめ市内8特定局のうち5局の局長らが顔を揃えた。
『こども110番のくるま』のステッカーの引き渡しの後、森署長、安居局長らが実際にバイクや車に貼り付けて出発式。集配業務に従事する局員らが順番にバイクや車で市内へ出ていった。
なお、城陽郵便局など市内郵便局は、これまで城陽市と2020年10月に包括的連携協定、昨年7月には市内郵便ポストに災害に備えた指定緊急避難場所の周知ステッカーを貼り付けるなど地域貢献を行っている。