噛めば噛むほどに…滋味高く/京田辺「一休寺納豆」
発酵させた大豆を桶に移して太陽のシャワーのもと撹拌を

一休禅師が伝え広く作られるようになった「一休寺納豆」の製造が今夏も佳境を迎えた。
昭和アニメの金字塔「一休さん」のモデルでもある一休宗純禅師が酬恩庵を命名し、晩年を過ごした一休寺=京田辺市薪里ノ内=。
同寺では、蒸した大豆に「はったい粉」と麹(こうじ)を混ぜて発酵させ、塩湯とともに桶へ移し、約1年を掛けて天日干しと撹拌(かくはん)を繰り返す。
しっかりと水分をとばせば、真っ黒な一休寺納豆の出来上がり。
「太陽光に当てることでうまみ成分のアミノ酸が生成。暑ければ暑いほど、発酵は進む」と、今年も期待を寄せる田邊宗一住職(73)は40年以上、一休寺納豆作りに精魂を込める。
古来、禅僧にとって貴重なたんぱく源となり、保存食としても珍重された。
風味は独特で、噛めば噛むほどに深い味わいが楽しめる。
今月12日に原料の大豆を蒸しはじめ、16日から天日干しを。
来年5月まで天気のよい日に1日1回混ぜ、そのまま太陽光に晒す。
さらに約1年熟成させ、完成に至る。
善哉に添えるのをはじめ、ソフトクリームにまぶすと絶妙なアクセントに。
インターネット販売や、和・洋料理店などの引き合いも増える。
つまみや調理の隠し味に最適。
価格は1袋(100㌘)900円(税込み)。
問い合わせは同寺℡0774‐62‐0193まで。