久御山町は17日、ふれあい交流館ゆうホールで、中央公民館跡地(同町役場庁舎南側)に建設する「全世代・全員活躍まちづくりセンター」の整備内容などについて住民らと話し合う「設計対話」を開いた。新施設でやりたい事やそのために必要な設備など、施設利用者の住民から自由な意見を聞いた。
この対話は、まちづくりセンターの設計者、運営者、利用者の3者による話し合い。対話から得た幅広い世代、様々な立場の人からの意見を新施設に反映させ、住民に愛される施設を目指す。開館後の新施設に積極的に関わってもらうきっかけづくりにもする。
施設完成後に生じ得る3者の考えの誤差を可能な限り少なくするため、基本設計段階のこのタイミングで開いた。
㈱橋本尚樹建築設計事務所=東京都千代田区=が設計、アクティオ㈱=本社・東京都目黒区=が開館後の運営を担う。オープンは2024年度中の予定。
この日は町文化サークル、町子育てサークルとの対話が行われた。このうち町文化サークルの対話には、町内の21サークルから22人が参加し、4グループに分かれてワークショップ形式で意見を出し合った。
参加者は約1時間、設計者らと意見を交わしながら、サークル活動を進める上でのハード面での課題を踏まえ、桃色の付箋に新施設でやってみたいことを自由に書き入れ、黄色の付箋にそのために必要な設備を記し、各テーブルに広げられた同センターの平面図に貼付していった。
最後にグループごとに対話の結果を発表。大鍋を洗える流し台、施設の中心に位置するホールで開かれているイベントの様子が施設のどこにいても確認できる映像・音響設備、展示物を際立たせる照明設備、一人でゆっくり過ごせるスペース、外庭に水遊びができる小川、Wi‐Fi設備などを求める意見が出された。このほか、ホールの収容人数がゆうホールと大差がないことを心配する声や、いつでもセンターに通える交通インフラの整備を求める声も。快適なサークル活動が行える新施設の誕生を強く望んでいた。
設計を担当する㈱橋本尚樹建築設計事務所の橋本尚樹さんは「施設の完成前に利用者の方と話ができるのはありがたい。利用者目線からの貴重な意見がいただけた。皆さんに楽しく使ってもらえる施設となるよう設計し、面白い使い方を発見できるよう工夫したい」とし、今後の協力も参加者に呼び掛けた。
運営を担当するアクティオ㈱PPP推進室長の薬師寺智之さんは「設計側、運営側、利用者が意見を擦り合わせるという場は、施設ができあがった後に『こんなはずじゃかった…』というミスマッチを減らす上で重要」と、今回の対話の意義を述べた。
18日は京都文教大学の学生団体KminK(クミンク)との対話が行われる。