DXソリューション体感/城陽
DX実用化に向けて認識を深める市職員ら

総務省が2020年12月、自治体DX(デジタルトランスフォーメーション)推進計画を発表し、各自治体に工程表作成などデジタル化推進を求めている流れを受け、城陽市は今年度末に全庁的な「DX推進計画」を策定すべく取り組みを進めている。その一環として1、2日の両日、西庁舎で会計年度任用職員を含めた全職員に参加を呼び掛け、DXソリューション展示会を開催。先進企業8社が全国自治体で採用しているDXシステムを紹介し、市人事課もRPAによるパソコン操作自動化の実績を説明した。
城陽市は昨年4月、全庁的取り組みを進めるため、DX推進チームを設置。公募型プロポーザル方式で業務のデジタル化をサポートする民間業者・NECネッツエスアイ㈱を選定し、昨年11月、プロジェクト「キックオフ」会合を開いた経過がある。
国は昨年9月「デジタルの活用により一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会」との目標を掲げ、デジタル庁を発足。これに引っ張られる形で、全国の市町村の市役所・町役場でも申請手続きのオンライン化も急速に進展している。
同市も新名神の開通を目前に控え「人口減少時代にあっても選ばれるまち」を目指し、取り組みを進めており、奥田市政が掲げる新たなまちづくり『NEW城陽』にとってもDXは不可欠…との認識のもと、府内他市に先駆けた施策を展開中。
その一環として開かれたDXソリューション展示会では、デジタル化サポート業者のNECネッツエスアイ㈱のほか、㈱会議録研究所・㈱内田洋行・富士フイルムシステムサービス㈱・扶桑電通㈱・キンガシステム㈱・㈱電通国際情報サービス・㈱デンソーの8社と、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)によるパソコン操作自動化を実用化している市人事課がブースを開設。
業務に支障が出ないよう正職員や会計年度任用職員ら2日間で延べ600人が順番に会場を訪れ、各社の担当者からDXシステムに関する説明を受けるなどイメージをより具体化。DX活用に向けた認識を高め、市民サービス向上への認識を高めた。
そのうち、数例を紹介すると、市民の多くが経験する住民票の写しや戸籍抄本の申請時に、マイナンバーカードがあれば、申請書に面倒な手書きをする必要がないシステム。会議時に議事録作成に速記する必要がない「AⅠ議事録作成システム」など。すでに導入されている自治体の実用例を受けて日々、進化していることも伝えられた。
参加した市職員からは「これまで人ごとと思っていたDXが身近になった。導入までの業務の見直しは大変だと思うが、市民にメリットがあるソリューションがあったので個人的には検討したいと思った」(市民課・正職員)などと前向きな感想が聞かれた。市は、財政的な費用対効果を見極める中で今後、採用できるDXシステムを見極めていくことにしている。