ウィズコロナ時代において、感染を予防しながら活動するのに役立つ情報を「おさらい」できるハンドブックがこのほど完成。宇治市内の包括支援センターなどに配布されている。作成した宇治市民コロナ支え愛の会(森田浩史、金山美沙両代表)のスタッフは「情報自体はネットに出ているが、知らないままのことも多い。ネットに弱かったとしても知りたいことが分かるよう編集した。お役に立てればうれしい」と話している。
支え愛の会はコロナ禍の2020年8月に活動をスタート。地元の医療介護専門職らを対象に、ガウンや医療用マスクなど介護感染防御具の提供と啓発活動を手掛けてきた。
当時はマスクや消毒液の供給が不足しており、キッチンペーパーなどでマスクを手作りしていた頃。ワクチン接種が進み、衛生物資も行きわたるようになった21年の春、事例報告会と並行し、同会の活動を総括する企画が立ち上がった。
1年越しのオリンピック開催を経て、感染力の強いデルタ株が話題に上る中「変異株が出てきても予防の基本は同じ」の方針で、換気・手洗い・マスク着用を3本柱に、社会活動を進めるために必要な情報を、表紙込み32㌻の小冊子にまとめた。
冒頭はインフルエンザウイルスとの違いや症状について。手洗いの説明では、最も不十分になりやすいのは爪の周辺、消毒液は手洗いのすすぎ(約15秒)と同じだけ時間をかけてすりこむ…など、分かりやすいイラストで盲点になりがちなポイントを指摘する。
また、正しい不織布マスクの取り扱い方法は▽ウイルスがたまる恐れがあるのでプリーツ部が上を向かないように▽外す時はフィルター部を触らず、すぐに手を洗う▽捨てる時には袋に包むか、フタ付きのゴミ箱に入れる…と紹介している。
編集に携わった看護師の金澤克枝さんは「訪問看護でうかがうと、何日も同じマスクを使っている人がいる。できれば違うものに交換を。再び使う時は、室内ではなく玄関先に吊るして」と呼び掛ける。
同会スタッフで理学療法士の阪東美可子さんは、昨年大久保で開いた出張講座の経験から冊子のニーズを痛感。「読みながら改めて気付くことが見つかるし、話のネタにもなると思う。飲食の時は座席を横並びにするなど留意点も記した。人と交流することで体の免疫力が上がることは確か。集まりを支援していきたい」と話した。
冊子は市内の包括支援センターや医療機関などで閲覧できる。問い合わせはEメールujicoronasasaeai@gmail.comまで。