東側の後円部下段斜面 初検出/城陽・久津川車塚古墳

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城陽市教委は20日、山城地方最大の前方後円墳で国史跡・久津川車塚古墳=古墳時代中期(5世紀前半)築造・同市平川=の今年度発掘調査で「後円部東側で墳端の位置を初めて確認することができた」と発表した。今回は後円部の真東の主軸直交線上に設定したトレンチ=掘り下げ=等で調査を初実施。「後円部の墳丘形態を復元していく上で定点となる貴重な成果を得ることができた」とまとめた。
久津川車塚古墳の史跡公園整備に向けた市教委の発掘調査は、2014年度から始まり、今年度で9年目。市史跡整備委員会委員の岸本直文教授(大阪公立大学)と長友朋子教授(立命館大学)の指導のもと、学生有志らの協力も得て8月22日に開始。初めて後円部の東側を4カ所トレンチした。調査期間は10月末まで。
今回の発掘現場は、JR奈良線の東側に位置する▼後円部の北東側に設定したトレンチ2カ所▼後円部東側の主軸直交線上に設定した2カ所の計4カ所・計240平方㍍。
特に、後円部東側の主軸直交線上に設定したトレンチの1カ所で「後円部東側の墳端の位置を初めて確認」。この調査箇所では、外堤内側の斜面の葺石(5~10㌢)に比べ、墳丘斜面の葺石が15~20㌢と大きいことも確認できた。

外堤の上面及び内側で(周豪側)斜面を検出

また、後円部の北東側に設定したトレンチでは、斜面での葺石等は検出されなかったが、古墳築造よりも後に掘られたと推定される南北方向に延びる溝跡を検出した。
発掘調査での検出遺物は、埴輪片や須恵器片にとどまった。
継続して久津川車塚古墳の発掘調査を指導している岸本直文教授は「後円部の直径は109㍍と推定されるが、今回の調査で東側の定点が確認できたことで、より正確な寸法が測定できる。今後、3年ぐらいは東側の調査を続け、後円部の墳丘形態を復元するための裾をはっきりさせていきたい」と話した。
なお、市教委の調査は、2026年度まで続けられ、その後は史跡公園づくりに取り組む方針。

◆久津川車塚古墳◆
京都府南部地域で最大を誇る国史跡・久津川車塚古墳は、墳丘長約180㍍の3段構造、外濠を含めると全長約270㍍の大きさとなる。
築造は5世紀前半。1894(明治27)年に行われた奈良鉄道(現JR奈良線)の敷設工事の際、後円部から長持形石棺が発見されたことで注目を集めた。城陽市教委は2014年度から10カ年計画で発掘調査を続け、史跡公園整備を行う。

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