「てまえどり」手書きポップでPR/立命館宇治高2年生グループ
児童・生徒が描いたポップ広告が店内に掲示されている

立命館宇治高校2年生のグループ6人が、スーパーなどで発生する食品ロスを減らすため、賞味期限の早い食品から購入する「てまえどり」を促そうと、交流のある小中高の児童生徒に呼び掛けて広告デザインを募集した。今月の審査で選んだ20枚のポップが、今月21日からフレンドマート宇治市役所前店で掲示されている。

立宇治高校「フードバンカーズ」のメンバー

国連SDGsについて学ぶ同校英語科授業の一環。土井菜々美さん、楠山晴香さん、大西悠月さん、鎌田一寿くん、池田悠太郎くん、西浦広夢くんによるグループ「フードバンカーズ」の研究プロジェクトで、昨年10月、960人の中高生を対象にアンケート調査を行い、テーマ決めをした。
「てまえどり」は、消費者庁が一昨年6月、一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会などと連携し、商品棚の手前にある商品を選ぶよう呼び掛けを始めたもの。賞味期限切れによる「食品ロス」を減らす狙い。
報道で、佐賀県の中学生がメッセージ付きのポップを作成し、コンビニに掲示したニュースを目にした楠山さん。「てまえどり」の認知度は50%程度だと知り「ポップは、種類がたくさんあったほうが良い。私たちが作るよりも、コンテスト方式で作品を募集すれば、多くの人を巻き込める」と思い立った。
昨年11月には、宮城県の仙台第三高校で、県内外の高校生が研究成果を発表する「イノベーションフェスタ」が開催され、外部参加の立宇治フードバンカーズが「どのように食の冒険家を増やすべきか」と題して発表。優秀賞に輝いた。
ポップの募集にあたっては、立宇治中・高のほか、フェスタ主催の仙台第三高校や、みんなのき三室戸園に通う学童の子供たちにも声掛け。「てまえどりポップ大賞」と称し、12月中旬から冬休み明けにかけて作品を募ったところ、40点が集まった。
別のプロジェクトで交流があった、フレンドマート・宇治市役所前店が、広告の設置場所と、コンテスト「大賞」賞品の提供に協力。今月中旬、集まった作品を審査し、半数の20点を採用した。

豆腐のコーナーに置かれた、最優秀作品のポップ

掲示初日の21日、楠山さんら3人と講座を担当するコリア・ニコラス教諭が、納豆、豆腐、食パン、牛乳の各コーナーで、イラスト入りの手書きポップを設置していった。
同店の谷直忠次長が、来客の動線を考えた位置取りをアドバイス。「店舗でも、注目してほしい内容についてはあえて活字でなく手書きを使うことがある。若い皆さんにフードロス問題の意識を持ってもらうきっかけになれば」と喜んだ。
「フードバンカーズ」の代表を務める楠山さんは「SDGsと聞くと何だか面倒くさいイメージで捉えられがちですが、『てまえどり』は、文字通り手前からとるだけなので簡単にできます。認知が広まるとうれしいです」と話した。