茶で学ぶ おもてなしの心/宇治
吉田さんが抹茶の点て方をレクチャーした

今年度宇治市に採用された職員を対象とした宇治茶の淹れ方講座が10日、市庁舎8階の大会議室で開かれた。一般事務職の職員ら16人が参加し、宇治茶の知識を深めた。
世界に誇る宇治茶を広く世の中に発信し、おもてなしの心を養ってもらおうと毎年新人研修に組み込んでいる。講師に、丸利𠮷田銘茶園の吉田昌弘さん=小倉町=を迎え、茶の歴史や種類、宇治茶に欠かせない覆下栽培などの特徴などを学んだ。
研修では、煎茶・玉露・抹茶の順で、美味しい淹れ方を実践。抹茶については、ダマにならないよう予め茶こしでこしてあること、茶杓で山盛り2杯を椀に入れ、80~90度くらいのお湯を使うことなど事前説明があった。
吉田さんは「茶筅は鉛筆を持つ感じで持ち、数字の1を高速で書くように、手首をしっかり使ってかき混ぜる。お湯が冷めると泡が立ちにくくなるのでタイミングが大切」とアドバイス。テーブルごとに職員たちが抹茶点てにチャレンジした。
吉田さんは「飲むときに音を立てても大丈夫。今回の抹茶は薄茶用だが、茶葉の量を増やしペースト状にして飲む濃茶という種類もある」と補足。「お茶の検定があると知人から聞いたが本当か」との質問には「日本茶インストラクター協会が主催する検定では、利き茶の試験がある」と答えていた。
職員らは「煎茶は温度によって味が違うと知り、これからは好みにこだわって作ってみようと思った。抹茶を点てたのは小学生の時以来で、難しかった。宇治市の職員として、もっと上達が必要かも」 「てん茶を石臼でひいて抹茶にする工程が間近で見られた。相手のことを思い、心を込めてお茶を出すという姿勢に感動した。宇治市と宇治茶に誇りを持って働きたい」と、それぞれ話した。