自転車ロードレース「ツアー・オブ・ジャパン(TOJ)」の京都ステージは21日、京田辺市・精華町の巡回コースで行われた。世界に名立たる選手96人は優勝を目指して疾走。4年ぶりの開催に約4万3000人(主催者発表)が訪れ、手に汗握る展開に胸躍らせた。
新型コロナウイルス感染症の影響で2019年以来、4年ぶりとなるツアー・オブ・ジャパン(TOJ)は自転車月間推進協議会が主催し、同組織委が主管した。
国際自転車競技連合(UCI)公認のアジア最大級ロードレースだ。
21日に堺(大阪)で始まり、京都・いなべ(三重)・美濃(岐阜)・信州飯田(長野)・富士山(静岡)・相模原(神奈川)と転戦、そして28日(日)の東京で最終ステージを迎える。
京都ステージは今回で5回目を数える。
ツール・ド・フランスと同様に複数都市を次々と転戦する世界最高峰のステージレースの2日目は地元の山城2市町を舞台に熱く繰り広げられた。
同ステージは16・8㌔の周回コースを6周するなどの合計103・6㌔。
この日朝、スタートラインが引かれた普賢寺ふれあいの駅前で、はじめに同志社大学応援団チアリーダー部が元気いっぱいのパフォーマンスを披露して選手を勇気付けた。
上村崇京田辺市長がピストルを打ち鳴らし、選手とサポートカーは西へ向かってスタート。
梅の木峠を駆け上がり、京奈和道の狭い側道を抜けて、近未来の街並みが広がる精華大通りに出ればすっかり視界も開けた。
けいはんなプラザを過ぎ、打田まで急こう配の登りカーブを耐え駆け引きも盛んに。
山岳賞ポイントを越え、美しい田園風景に包まれる天王・水取までは山を一気に下った。
選手たちはこのステージ特有のこう配やカーブをもろともせず猛スピードで疾走した。
沿道から応援する地元住民と観客は、風を切る選手が生み出す風圧をビュンビュン感じつつ「ガンバレ」の声を送った。
熱戦の末、マトリックスパワータグのゲオルギオス・バグラス選手(ギリシャ)が最後までもつれ込んだ接戦を渾身の「ハンドル投げ」でライバルをうっちゃりチャンピオンの栄誉を勝ち取った。
6周回終え、観客が待つ精華大通りを抜けてフィニッシュのけいはんなプラザ前で勝利を確信すると顔を天に向けて叫び、こぶしを突き上げ、勝利の美酒に酔いしれた。