「ビューティフル・ウィンドウズ」中学生らが作業に汗/京田辺
ライトグレーの特殊ペンキを塗り重ねていく生徒たち

1枚の割られたガラスをそのままにしておけば、さらに割れたガラスが増え、やがてまち全体が荒廃してしまう―「割れ窓理論」(ジョージ・ケリング犯罪学博士)に基づく田辺署(平山有一署長)の取り組みが、国道307号と市道が接続する京田辺市興戸八木屋の高架道路下橋脚で行われた。
割れ窓理論の実践のうち、今回は「ビューティフル・ウィンドウズ運動」を展開。
市内で猛暑日を記録した先月18日の夕方、田辺署員と府山城北土木事務所・市職員、スクールサポーターら約10人が参集する中、学校から府道を南へ田園が囲んだ抜け道を顧問らと進んで来たのは田辺中学校剣道部の3年生7人。
警察の呼び掛けに快く応じ生徒たちが協力したのは、近鉄・JR線路に挟まれた箇所にある高架道路下で、幅・高さともスケールメリットある橋脚コンクリートに書きなぐられた落書きを消し去る作業。

住宅、田畑の間を縫う抜け道になっている高架下の細路も美観を保とう

挨拶で、割れ窓、そしてビューティフル・ウィンドウズの趣旨に触れた同署の岡本敦生活安全課長は「止める側にもなって」と期待を寄せた。
府職員らの説明を受け、生徒は早速、ローラーを手にライトグレーの特殊塗料を丁寧に塗り重ねていった。
「落書きは、非行の第一歩…」と非行防止教室で手ほどきするスクールサポーターも、精鋭剣士である生徒たちに温かなまなざしを振り向けた。
同署によると、6月に地域から相談が複数あった「落書き」。
左右にわたり高さ2㍍・幅6㍍ほどの面を数分できれいに仕上げた剣士たち。

国道307号と市道接続部の高架下橋脚の落書きを消し去った田辺中学校の剣道部員7人

田辺中剣道部部長の髙橋遼真さんは「普段はアルプラまで行くのに利用している抜け道。きれいになった。こういう経験はなかなかできない。もしやる人が居たら注意したい」と声を強める。